ソフトバンク・テクノロジー(以下、SBT)は2010年5月20日、資生堂に、オーリック・システムズ(以下、オーリック)のパケットキャプチャ型リアルタイムアクセス解析製品「RTmetrics」を導入したと発表した。「RTmetrics」は、PCサイト/携帯サイトへの来訪者の個々の行動を高い精度で詳細に把握できるのが特徴で、国内380社以上のWebシステムで活用されている(データセンターユーザを含めた利用サイト数は2010年1月現在で1万6000以上)。SBTは、同製品により、Webサイトを顧客との直接的なコミュニケーションの窓口と位置づける資生堂の企業戦略を強化できるとしている。
資生堂では、1995年に自社Webサイトを開設以来、情報発信および顧客との重要なコミュニケーションの接点(コンタクトポイント)としてサイトを活用している。中でも、1997年に開始した「資生堂ネット会員」制度は、モニターへの参加やサンプルプレゼントの応募、自分だけのパーソナル情報が閲覧できるマイページなどの会員専用サービスを提供している。
そして今後は、顧客一人ひとりに合わせたサービスを提供する「One to Oneマーケティング」を推進するプラットフォームとしてWebサイトの強化する。そのために、サイト上の顧客の行動をより的確に把握し、効果的なPDCAサイクル推進を支援するアクセス解析ツールの導入が急務となっていた。また、資生堂は携帯3キャリアで公式サイトを展開しているが、各サイトの運営者が簡単に利用でき、さらに全社統一の指標により、全サイトを横断的に分析・評価できる仕組みを必要としていた。
パケットキャプチャ型のリアルタイムアクセス解析ツール「RTmetrics」は、Webサイトには手を加えることなく、ネットワークに流れるパケットデータから必要な情報を収集することができるので、今回資生堂への導入が決定し、2010年4月より全サイトを対象に本格稼働が開始された。
「RTmetrics」の主な特徴と採用のポイントは次のとおり。
- 大量アクセスをリアルタイムに解析可能
もともと膨大なトラフィックを扱うデータセンター内での解析を行うために設計・開発された「RTmetrics」は、月間数千万PVを超えるWebサイトでも安定稼働し、リアルタイムに解析できる。 - 充実した解析指標の提供
PVやセッション情報などの把握だけでなく、来訪者の流入元分析やコンバージョン分析など、WebサイトのROI(投資対効果)を把握する重要な指標を提供する。 - 簡単な操作でアクセス動向を把握
設定画面のGUIやダッシュボードが充実しており、サイトの利用実態や訪問者一人ひとりの詳しい動向を、アクセス解析の経験がなくても把握することができるので、サイト運営者自身がコンテンツやユーザビリティの評価・改善に活用することができる。 - 同一指標で全サイトを横断的に分析・評価
分散する複数のWebサーバも一元的に解析できるので、全サイトを横断的に分析・評価することが可能。経営目標(KGI)を定義することで、各サイトの達成状況を的確に把握でき、また、経営者向けのダッシュボードも充実している。 - FLASHサイトの解析も可能
FLASHファイル中に解析タグを埋め込む事により、従来では解析が難しかったFLASHサイトにおけるアクセス分析も可能となる。また、解析タグを埋め込んだ場合でも、PV課金方式のASPタイプの解析ツールと違い従量課金によるコストの増加の心配はない。 - 来訪者の行動から知見を得る解析アプローチ
一般的な解析ツールは、想定したシナリオに基づいて来訪者の行動を解析するが、「RTmetrics」が搭載する「Advanced Analytic Module」は、Webサイトを訪れるすべてのユーザの行動情報を蓄積することで、運営側が想定していなかった来訪者の行動も解析できる。これにより、来訪者の行動から、有用な知見(顧客知)を吸い上げて、製品開発やマーケティング戦略に反映するというアプローチが可能となる。
「RTmetrics」
http://www.sbt-rtmetrics.jp/?sid=100520press
オーリック・システムズ
http://www.auriq.co.jp/
ソフトバンク・テクノロジー
https://www.softbanktech.jp/