これまでiPhoneでは持て余し気味だった手書きメモアプリ。それがiPadを使うようになってから、にわかに活用頻度が高くなってきました。さて、その実態は…。
以前の本コラム(第9回、第10回)で、外出先でのメモ術について触れました。携帯(iPhone)で自分宛にメールを送った備忘録、肉声による録音、携帯カメラで撮ったイメージといった情報をEvernoteで一元管理するという方法です。
これら以外にも、個人的には「手書きメモアプリ」が気になっていました。例えば、記事中に使用する図版のラフイメージを描く、レイアウトを考える、タイトルやキャッチコピーを検討する…。他のメンバーと一緒になって、あれこれと考えを巡らせる時、それがオフィスでもランチの席でも、あるいは居酒屋で飲んでいる時でも、あたかもノートに書き殴っているかのように使えるアプリについてです。もちろん、紙とペンによるアナログな手も有効なのですが、メモした結果を後から全員で共有するには、できれば最初からデジタルな世界で事を進めるに越したことはない。
こんな背景で、iPhone向けの手書きメモアプリをいくつか使ってみた時期もあったのですが、やはり3.5インチ程度という画面には限界を感じるシーンも少なくない。特に、何人かで侃々諤々と議論する際には、小さすぎるのというのが率直な感想です。こうした用途ならば、第4回で触れたデジタルペンのほうが有効のような気も…。という訳でしばらくは手書きメモ熱が冷めていたのですが、iPadを入手して以来、再び再燃し始めたのでありました。
最近、もっとも活用頻度の高い手書きメモアプリが米アドビシステムズの「Adobe Ideas 1.0 for iPad」(※ちなみに、まだ米国のiTunes Storeでしか扱われていないようです)。これは、iPadをアイデアスケッチ帳として使うアプリです。ペンの太さや色を変更できるのはもちろんのこと、透過度や台紙も自由自在に調整できます。ぎこちない動きで描いた線も、アプリ側が滑らかにしてくれる! 絵心のある人であれば、これ1つで相当のイラストが描けてしまいそうです。アドビって、Flashを巡る問題でアップルとは距離を置いているのかと思いきや、しっかりと気の利いたアプリを提供しているんですね…。しかも無料です。
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