初めて耳にしたキーワード、ふと浮かんだアイデア、気に入った曲名やアーティスト名…。外出先で(私はもっぱら飲みに行った先ですが…)、何か記憶にとどめたいと思った時、皆さんはどのように対処しているのでしょうか。今回は、「外出先での記憶を維持する方法」がテーマです。
その場では、しっかり頭に入れたつもりでも、他の話題が弾んだ後にはスカっと忘れてしまう私。コースターの裏や割り箸の包み紙にペンでメモしても、お酒が進めば全てを放置して帰途につくことも珍しくない…。ただでさえ経年劣化した脳ミソ。さらにアルコールに浸れば、我が“インメモリーDB”は障害を起こし、2度とサルベージすることができません。もしかすると、記憶しようとした行為すら忘れ去っているのかも!?
せっかくの情報を自分のものにするには、やはり新鮮なうちに「確実に」記録に残しておくことが大事です。というわけで、外出先で記憶に刻むべき事柄があった場合、最近はいくつかのことを習慣づけています。その中でも一番多用するのは、オーソドックスながら「携帯から自分宛にメールを送っておく」という方法です(もちろん、相手がいる席では、失礼にならないよう気を付けながら…)。
問題は、携帯からどのアドレスにメールを送るかということ。私の場合、クラウド型の情報管理サービス「Evernote」のアドレスを有効に使っています。既にお使いの方はご存じだと思いますが、Evernoteのアカウントを取得すると、user.xxx@m.evernote.comといった固有の電子メールアドレスが1つ付与されます。このアドレス宛に送ったメールは、自動的に自身のEvernoteのノートとして取り込まれます。さまざまな情報を、最終的にEvernoteに集約したいという人にとっては便利な機能です。
ただし私は、Evernoteのアドレスにダイレクトには送信せず、1度、個人のGmailのアカウントを経由させています。具体的な流れはこんな感じ。携帯(iPhone)のメール本文にメモすべき内容を記して、まずはxxx@gmail.com(自分のGmailアドレス)に送信。Gmailにはフィルタを設定し、xxx@i.softbank.jp(自分のiPhoneのメールアドレス)から受け取ったメールには「MEMO」というラベルを付けると同時にuser.xxx@m.evernote.com(自分のEvernoteのメールアドレス)に転送するようにしておく。これで、メモはGmailとEvernoteの双方に記録されます。
図1:外出先で記憶にとどめたいメモを携帯メールで記録する流れ
Evernoteに最初から一本化してもよいのですが、(1)新興企業が提供するサービスゆえ、万一の障害に備えておきたい。(2)大量のデータを対象とする検索技術においてはGoogleに一日の長があるのでは、という個人的見解。--といった理由で二重化しているのが現状です。
実際に携帯(iPhone)から自分のGmailアドレスにメールする時、いちいちメーラーの宛先欄で「+」を押して、連絡先から探すのは面倒です。ここで使っているのが「SpeedMailer」(無料)というiPhoneアプリ。これは、宛先や件名、本文を入力したテンプレートを作っておける便利ソフトです。メモの送信用途では、宛先を自分のGmailアドレス、件名を「to Evernote (via Gmail)」などとしたテンプレートを作っておけばOK。これを選んだ後、本文に記憶すべきキーワードを入力して送信するだけです。このSpeedMailerは、「今から帰ります」といった家族宛の定型メールを送信する際にも役立ちます(もっとも、常用するのは「飲みに行くので遅くなります」ばかりですが…)。
さてさて、メモのメールを送信しただけで安心してはいけません。これは私だけかもしれませんが、(時に酩酊すると)メールを送ったことすら忘れていることもあるのです。1週間に1度は、自分宛てに送ったメモメールを見返して、どんな情報を記憶にとどめようとしていたかを確認することも重要な作業となります。
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