[市場動向]
NEC、自社の経験を基に脱オンプレミスへの可能性や道筋を診断するSIを提供へ
2010年9月24日(金)力竹 尚子(IT Leaders編集部)
本誌2009年5月号、2010年4月号で既報の通り、NECは自社のクラウド基盤上でグループ約50社の基幹業務システムを再構築。2010年4月の経理システムに続き、2011年4月には販売・資材システムをクラウド上で稼働させる予定である。
そのNECが、一連の取り組みから得たノウハウの“商品化”に向け、本格的に動き出した。
同社は7月28日、企業システムのクラウド移行を支援するコンサルティングサービス2種を発表。同日、販売開始した。「クラウド化クイックアセスメント」と「クラウド化企画サービス」である。
クラウド化クイックアセスメントは、独自のツールを用いて業務プロセスやシステム、IT基盤などの標準化がどの程度進んでいるかを診断。クラウドに移行できる領域を明らかにするサービスだ。標準化における課題や、推進計画も提示する。ヒアリングや調査・分析を経て診断結果を報告するまでの期間は、最短で1カ月。価格は50万円から。
クラウド化企画サービスは、対象を基幹業務システムに特化したコンサルティングサービスである。事業や業務パターン、システムの整備・利用状況を調査したうえで、オンプレミスからクラウドに移行可能な業務領域を特定。さらに、「SaaS型」「共同センター型」といったクラウド化の実現方式や、実行計画を策定する。投資効果の算定も実施するという。クラウド化ロードマップの立案までの期間は、最短で2カ月としている。価格は1000万円から。
これら新サービスには、NECが提供中のクラウド基盤「クラウド指向サービスプラットフォーム」の利用を促進する狙いがあると見るのが自然だろう。同社は今回発表した2サービスに、専任コンサルタント20人を投入。3年で100社に販売することを目指す。 (力竹)