米国ガートナーは2010年10月7日(米国時間)、「先進テクノロジー・ハイプサイクル(Emerging Technologies Hype Cycle)」の2010年版リポートを発表しました。ガートナー・ハイプサイクルは、近年登場した数々のテクノロジーについて、それぞれがどのような成熟度に到達しているのかを評価し、ハイプカーブと呼ばれる曲線上にマップした同社独自の指標です。
ガートナーは毎年70~80種類の分野別ハイプサイクル・リポートを作成しており、その中でも最も歴史があり、また注目されているのが先進テクノロジー・ハイプサイクル・リポートです。
自社ITインフラにおいて導入を検討中の先進テクノロジーが現時点でどれぐらいの成熟度に達しているのかをつかむために、毎年この時期に発表される同リポートに注目しているユーザー企業のCIOやITリーダーはかなり多いのではないでしょうか。
図1:米国ガートナーによる、2010年版の先進テクノロジー・ハイプサイクル(出典:米ガートナー、2010年8月)
昨年度のガートナー ジャパンのリリースを基に、ハイプサイクルの見方を簡単に記しておきます。グラフの縦軸がテクノロジーに対する期待度で、横軸がテクノロジー登場後の時間経過になります。
各テクノロジーは、「Technology Trigger(テクノロジーの黎明期)」「Peak of Inflated Expectations(『過度な期待』のピーク期)」「Through of Disillusionment(幻滅期)」「Slope of Enlightenment(啓蒙活動期)」「Plateau of Productivity(生産性の安定期)」の順で推移し、このグラフに示されたドットの位置が各テクノロジーの評価時点(2010年8月)での成熟度を示します。また、ドットの各マークは、主流テクノロジーとして採用されるまでの予想年数を示しています(ただし、○×を重ねた形のマークは「安定期に達する前に陳腐化」)。
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