Bには危ないものが多いというと、読者はどう思うだろうか。Bと言ってもいろいろあるが、ここで取り上げたいのはアメリカ連邦航空局が全機運航停止命令を出したB787ではない。季節性インフルエンザが治まりだしたころに流行るB型インフルエンザでも、予防接種などから感染するB型肝炎でもない。情報の分野のBだ。
筆者が気をつけなければならないと感じているものを列記すると、BA、BI、Big-data、BPM、BPR、BRMSなどがある。Big-dataを除くと始まりのBはBusinessであり、経営や事業、業務に密接したITに関する概念や用語である。しかしその定義は曖昧で適切に説明されることが少ない。それゆえかどうか、Bのついたセミナーはおおむね盛況であり、Bの用語を目にする機会も増えている。
筆者がなんとなく怪しさを感じるのは、Bの手法やツールを取り入れれば、あたかも経営や業務が様変わりするかの如く、変革できるという雰囲気を醸しているところにある。製品のベンダーは当然、営業手法としても大げさに宣伝をする。したがって問題はむしろ、受け止める企業やITリーダー側にあると思っている。
最近活発になったBの分野
ここでBを整理しよう。一般に言われるBAには、ビジネスアナリシスとビジネスアナリティクスという2つの概念がある。前者はビジネスの課題や問題の解決を図るための方法論であり、いろいろな手法がある。後者は企業内外の膨大なデータを使って事業の予測を行い、業績を上げるために経営支援をするもの。BIやBig-dataと関連が深く情報システムやツールに直結する。
BPMとBPRについては2012年9月号本欄で解説したので参照していただきたい。BRMSは数年前から米国で普及しているシステム構築の1つの手法であり、アプリケーションから組織のルールを分離することによって、環境変化や制度変更に迅速に対応できるようにする。
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