重複排除、シンプロビジョニング、SSD、オブジェクトストレージ……日進月歩のITの世界の中でも、ストレージは特に技術革新の多い分野だと言えます。そんなストレージ分野で一見、昔ながらの技術のようでいて、実は今も着実に進化を続けているのがテープストレージです。
テープストレージについては、本コラムで4年前に一度取り上げたことがあります(関連記事:市場縮小、されど進化を続けるテープストレージ:第21回)。先日、ITベンダーのストレージ事業部門でテープストレージ製品を長年手がけられている方に話を聞く機会があり、4年前と比べてさらに進化していることがわかりました。そこで今回はテープストレージの今の動向をキャッチアップしてみたいと思います。
ロードマップどおりに大容量/高速化を続けるLTO Ultrium
IT Leadersの読者であれば、「LTO(Linear Tape-Open)Ultrium」という名称は一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。LTO Ultriumは主にエントリーからミッドレンジ規模のテープストレージで標準的に採用されているフォーマットです。
現行フォーマットは、2013年より搭載製品の出荷が始まった第6世代(LTO Ultrium 6)となります。LTO Ultrium 6は、12.65mm幅のテープに2176本ものデータトラックをびっしり敷き詰めることで、カートリッジ当たり最大容量が6.25TB(圧縮時)、最大転送速度がドライブ当たり400MB/秒(圧縮時)のスペックを達成しています。
LTOの仕様を策定する業界団体のLTOプログラムでは、将来の容量拡大/転送速度向上を段階的に実現していくロードマップを掲げています。それによると、次の第7世代では16TB・788MB/秒、第8世代では32TB・1180MB/秒まで容量と転送速度が強化される予定です。
●Next:さらなる容量拡大へ、技術面でのカギは?
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