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【第11回】Industrial InternetとIndustrie 4.0にみる製造業へのITインパクト
2014年9月16日(火)大和 敏彦
クラウドコンピューティングや、ネットワーク、ビッグデータの動向を本連載で取り上げてきた。前回は、注目度が急速に高まっている要素テクノロジーであるIoT(Internet of Things:モノのインターネット)を取り上げた。IoTやビッグデータ応用を、他の要素テクノロジー同様に、どう使いこなしビジネスにつなげていくかが重要だ。その一例として、米GEの「Industrial Internet」と独政府の「Industry 4.0」を題材に、ビッグデータやIoTなどの最新テクノロジーが製造業に与える影響に触れてみたい。
ビッグデータの時代になり、大きく変わろうとしているのが製造業だ。米GE(General Electric)が提唱する「Industrial Internet」や、ドイツが国を挙げて取り組む「Industry 4.0」の動きが、その代表例である。
産業革命、インターネット革命に次ぐ革命に
Industrial InternetをGEは、「Industrial Evolution(産業革命)」と「Internet Evolution(インターネット革命)」に続く、新たな革命に位置付ける。「アナリティックスの自動化と、実体に基づいた深いドメインごとの経験の蓄積による予測や自動化によって起こる変革」と定義している。すなわち、ビッグデータ時代のテクノロジーによる変革だ。
GEは、Industrial Internetに向けて、1つのアーキテクチャー、1つのプラットフォームの実現を狙っている。同プラットフォームの設計思想は、今後の機器やシステム、さらにはビッグデータやIoT(Internet of Things:モノのインターネット)を考える上で参考になる。その設計思想は、(1)Machine Centric、(2)Industrial Big Data、(3)Modern Architecture、(4)Resilient & Secureである。
(1)Machine Centric
種々の機械に対し、IoT接続の機能や、解析に結び付けるための機能を与え、ソフトウェアの変更方法などの標準化を目標にする。機器自身にIoTやビッグデータの発想に基づいた機能を標準装備する考えだ。
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