ITホールディングス傘下のクオリカは2015年7月22日、同社が開発する生産管理システム「AToMsQube」を、コンテナ技術の「Docker」対応に刷新し、クラウドサービスとして提供すると発表した。Docker対応にすることで、稼働環境の選択肢が広がるほか、カスタマイズなども容易になるという。
「AToMsQube」は、加工組み立て型の製造業を対象にした生産管理システム。受注出荷管理や、生産計画、資材所要量計画、購買管理、工程管理、在庫管理、売上管理などの機能を持つ。今回、AToMsQubeの各種機能やサブシステムをDockerコンテナに対応させた。より汎用的なシステム環境でも動作可能になる。
加えて、AToMsQubeをマルチテナント型のクラウドサービスとして提供する。クラウド基盤には、レッドハットのPaaS(Platform as a Service)構築用ソフトウェア「OpenShift Enterprise」とシスコシステムズのサーバー「Cisco UCS(Unified Computing System)」を採用した。
OpenShift Enterpriseの最新版である「バージョン3」はDockerコンテナに対応している(関連記事『「Dockerの利用障壁を取り除く」―レッドハットのPaaS新版「OpenShift Enterprise 3」』)。OpenShiftを使うことで、DevOps(開発と運用の融合)に対応した開発環境も提供し、システム開発の生産性や運用効率を高める。
これらにより、2015年10月の稼働を予定している次期AToMsQubeでの導入やカスタマイズは、従来環境に比べて4分の1ほどに短縮できるという。2017年度末までに300社への導入を目指す。