顧客が好きなときに好きな方法で、商品情報を得たり買い物をしたりできるうえ、決済や配送方法も自由に選択できる−−。ネット上のオンラインショッピングではごく普通のことだが、実店舗にこれを応用すればどうか?老舗文具店の銀座・伊東屋が挑んでいる。
「実店舗とeコマースは対立関係と言われるが、そうではありません。実店舗におけるIT活用が遅れているのが問題です。それを加速し、実店舗における新しい買い物体験をITで実現したいと考えています」−−。
日本人の多くが知る老舗の文具店、銀座・伊東屋の松井幹雄 執行役員企画開発本部長は、同社が今、挑んでいるITを活用した実店舗のイノベーションについて、こう語る。ビジネスシステムイニシアティブ協会が2015年8月27日に開催したカンファレンスで明らかにした。

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松井氏は、目指す店舗のビジョンとして(1)想像を超えた発見がある、(2)気持ちを切り替えられる、(3)すべてが自然に流れ心地よいひとときを過ごせる、の3つを掲げる。「2015年6月にリニューアルしたばかりの新本店『G.Itoya』は縦長の12階建て(写真1)。物販が8フロアが占め、ほかにカフェ、野菜工場、ラウンジ、多目的ホールが各1フロアあります。この店に新たな仕組みを導入します」。
上記3点を実現する前提が、実店舗の良さと不便さの分析である。松井氏によると、次のようになる。
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