シリコンバレーで働くことが過酷なことは、エンジニアに限らない。創業者や経営者も、投資を受けたベンチャーキャピタルから厳しい追及を受けたり、マスコミに対応したり、あるいはIPO(株式公開)に向けた準備など休まる暇はない。そんな彼らの人気を得ているのが“禅(Zen)”と“瞑想(meditation)”である。
禅センターや瞑想講座に参加しづらい人に向けては、スマートフォン(AndroidおよびiOS)用の瞑想アプリケーションが用意されている(表1)。スマートフォンにダウンロードして自分の好きなときに実践できるので便利だ。呼吸法や、瞑想法、ストレス解消法などを、インストラクターが段階を追って音声で指導してくれる(図3)。

拡大画像表示

拡大画像表示
米国に禅を持ち込んだ最初の禅師は、鈴木俊隆(すずき しゅんりゅう)氏であった。同禅師は55歳のときにアメリカに渡り、1962年にサンフランシスコ禅センターを設立して、禅の普及に活躍した。
同禅師の講話録である『Mind, Beginner’s Mind』(邦訳:サンガ新書)を米Apple共同創業者である故スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏は若い時に読んで禅に傾倒していったとされる。
鈴木禅僧の門弟であった乙川弘文(おとがわ・こうぶん)氏が、Los Altos市にある「Hakone Zen Center」で禅の普及に当り、同氏に師事してJobs氏は禅を学んだ。これまでのAppleの製品には、Steve Jobs氏の禅の思想が込められていることは言うまでもない。なお、乙川禅僧は1991年にJob氏の結婚式を司っている。
●Next:20年後にはスティーブ・ジョブズ氏のような鬼才も!?
会員登録(無料)が必要です
- > 前へ
- 1
- 2
- 3
- 次へ >
- 現地レポート─新型コロナで一変したシリコンバレーの経済・社会・生活(2020/04/06)
- 2017年のITトレンドを占う5つのキーワード(2017/01/13)
- スタートアップの結末、ベンチャービジネスは必ずしも成功せず(2016/08/08)
- サービスエコノミーはシェアリングからトラストへ、非正規雇用の”ギグエコノミー”が拡大(2016/06/14)
- シリコンバレーはバブルから安定成長へ?! ベンチャー投資は全米の4割強を占めるも伸びは前年比7.5%増(2016/05/06)