シリコンバレーで働くことが過酷なことは、エンジニアに限らない。創業者や経営者も、投資を受けたベンチャーキャピタルから厳しい追及を受けたり、マスコミに対応したり、あるいはIPO(株式公開)に向けた準備など休まる暇はない。そんな彼らの人気を得ているのが“禅(Zen)”と“瞑想(meditation)”である。
禅センターや瞑想講座に参加しづらい人に向けては、スマートフォン(AndroidおよびiOS)用の瞑想アプリケーションが用意されている(表1)。スマートフォンにダウンロードして自分の好きなときに実践できるので便利だ。呼吸法や、瞑想法、ストレス解消法などを、インストラクターが段階を追って音声で指導してくれる(図3)。
![表1:人気がある主な瞑想アプリケーションの例](/mwimgs/5/1/600/img_518527b09115c43978d7e61602d6e5a075425.jpg)
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![図3:瞑想アプリケーションの1つ「Insight Time」のホームページ。Google Mapの世界地図に同アプリケーションを今、実行している人が表示されている](/mwimgs/d/b/350/img_dbd436334057222c7f7236c4788c956070210.jpg)
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米国に禅を持ち込んだ最初の禅師は、鈴木俊隆(すずき しゅんりゅう)氏であった。同禅師は55歳のときにアメリカに渡り、1962年にサンフランシスコ禅センターを設立して、禅の普及に活躍した。
同禅師の講話録である『Mind, Beginner’s Mind』(邦訳:サンガ新書)を米Apple共同創業者である故スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏は若い時に読んで禅に傾倒していったとされる。
鈴木禅僧の門弟であった乙川弘文(おとがわ・こうぶん)氏が、Los Altos市にある「Hakone Zen Center」で禅の普及に当り、同氏に師事してJobs氏は禅を学んだ。これまでのAppleの製品には、Steve Jobs氏の禅の思想が込められていることは言うまでもない。なお、乙川禅僧は1991年にJob氏の結婚式を司っている。
●Next:20年後にはスティーブ・ジョブズ氏のような鬼才も!?
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