「CIO賢人倶楽部」は、企業における情報システムの取り込みの重要性に鑑みて、CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)同士の意見交換や知見を共有し相互に支援しているコミュニティです。IT Leadersは、その趣旨に賛同し、オブザーバとして参加しています。同倶楽部のメンバーによるリレーコラムの転載許可をいただきました。順次、ご紹介していきます。今回は、トライアルカンパニーのグループCIOである西川 晋二 氏のオピニオンです。
皆様、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
さてバブル崩壊後の低成長(そして衰退)を端的に示す言い回しに、“失われた20年”という言葉があります。数年前はテレビや新聞、講演会などで語られたので、ご記憶の方も多いでしょう。今ならさしずめ“失われた25年”でしょうけれど、最近ではそういう言葉は聞きません。なぜでしょうか?
日本でも世界でも、自然災害やテロなど様々な出来事が頻発する中、「なんとかやっていける日本はまだマシ」といった思いがあるのかも知れません。あるいは「バブル崩壊前のイケイケは夢にすぎない」「お金ははなくても日々、楽しく暮らせればそれでいい」といった達観した境地に至ったのかも知れません。
実際、急ピッチで進みつつある少子高齢化という逆風の中で、株価は2万円近辺に戻りました。一部の大企業は過去最高の業績を上げています。年末のイルミネーションも、それは美しいものでした。非正規雇用が4割に達し、国債発行残高が1000兆円を超えて尚増加しているといっても、企業倒産が相次いだバブル崩壊後の時期よりも、はるかにマシに思えます。
負け犬根性”に陥っていないか?
しかし筆者は、そんな楽観的な気持ちにはなれません。本コラムはCIO賢人倶楽部からIT責任者や担当者の方々に発信するオピニオンですので、ITに絞って話を続けましょう。皆様がご存じの通り”失われた20年”どころか、黎明期から日本のIT業界は製品や技術、サービス、ビジネスモデルなどほとんどにおいて“輸入超過”という、負けの状態を余儀なくされてきました。
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