SAPのジャパンは2016年8月5日、中小企業を対象にしたERPパッケージ「SAP Business One」の最新版である「同9.2」、および「同, version for SAP HANA 9.2」の提供を開始すると発表した。プロジェクト管理の新機能、生産管理のアイテムやリソースに標準原価を設定できる機能などを追加した。
「SAP Business One 9.2」および、インメモリーデータベース「SAP HANA」を基盤にした「SAP Business One, version for SAP HANA 9.2」では、プロジェクト管理機能を新規に追加し、プロジェクトの進捗を管理できるようにした。マーケティング伝票と製造指図にリンクすることで、計画値と実績の比較も可能になる。
生産管理には、標準原価設定機能を追加した。部品構成表に標準原価を設定することにより、複数階層で部品構成表のコスト計算が可能になった。リソース能力の管理の向上も図り、より効率的にスケジュールを設定できるようにした。
ブラウザーアクセス機能も追加し、Windowsクライアントのほかに、ブラウザーを使ったアクセスが可能になった。
SAP Business One, version for SAP HANA 9.2に関しては、コックピット機能を改善し、シンプルで使いやすいKPIやビューを追加した。
KPIは、SAP HANAを基盤にしたパーベシブダッシュボード上にCRMモジュールを導入し、販売や購買、在庫管理のモジュールには新たなビューを追加した。複数のグラフを組み合わせて表示できるようになったほか、データ型も追加するなど、より柔軟なKPIの設定を可能にしている。また、新しく追加したタイムスライダー機能によって、任意の期間のデータに素早くアクセスできるようになった。
インテリジェント予測の機能も搭載した。適切な予測アルゴリズムを使って、季節要因やトレンドに合わせた需要予測を計算できる。予測シナリオは調整可能で、シナリオはMRP(Material Requirements Planning:資材所要量計画)で使用することもできる。