米グーグル(Google)の日本法人は2016年11月8日、クラウドサービス「Google Cloud Platform(GCP)」を提供するデータセンター「東京GCPリージョン」の正式運用を始めたと発表した。GCPは国内ではこれまでベータ版としてサービスを提供していたIaaS(Infrastructure as a Service)で、AWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azureなど、すでに日本国内にリージョンを開設している大手IaaSの対抗となる。
東京GCPリージョンは、グーグルが日本国内に初めて設置するデータセンターであり、アジアでは台湾に次ぐ2番目となる。
さらにグーグルは2017年末までにムンバイ、シンガポール、シドニーの3カ所でリージョンを開設する予定だ。その結果、アジア圏内で合計5リージョン、14ゾーンを利用できるようになる(図1)。
今回の正式運用開始の時点では、東京GCPリージョンは16種類のサービスを提供する(表1)。東京GCPリージョンには3つのゾーンを設けてあり、アプリケーションを運用するときに複数ゾーンを利用することで冗長性を高めることが可能だ。
サービス名 | 機能 |
Compute Engine | IaaS |
App Engine Standard Environment | PaaS |
Cloud Storage | オブジェクトストレージ |
Persistent Disk | ブロックストレージ |
Container Engine | Dockerコンテナの実行環境 |
Cloud Datastore | NoSQLデータベース |
Cloud Dataflow | 大規模データの処理環境 |
Cloud Dataproc | Apache SparkとApache Hadoopの実行環境 |
Cloud SQL Second Generation | リレーショナルデータベース管理システム |
Cloud Pub/Sub | メッセージングサービス |
Cloud DNS | DNSサービス |
Cloud VPN | VPNサービス |
Cloud Router | ルーティングサービス |
Auto Scaling | 自動スケーリングサービス |
Load Balancing | 負荷分散サービス |
Cloud IAM | アクセス制御サービス |
表1:東京GCPリージョンで提供するサービス(出典:グーグル)