[中国電脳事情]

【中国電脳事情セレクション】産業用ロボットのオペレーターが3年後に300万人不足する―中国政府予測、ほか

2017年11月7日(火)足立 治男

中国メディア各社の報道から、IT関連の最新動向を紹介する「中国電脳事情」。1カ月間に報じられた主要なニュースから重要なものをピックアップしてお伝えする。

チャイナユニコム、Alibaba Cloud/Tencent Cloud接続サービスを提供へ

―運営商世界網(2017年9月30日)

 中国3大通信キャリアの1つ、チャイナユニコム(中国聯通)が新たに提供するサービスで、同社幹部が「Alibaba Cloud、Tencent Cloudを接続する」ことを明かし、注目を集めている。

 チャイナユニコム副総裁(副社長)の韓志剛氏は、「次のステップで、我々はクラウドリソースの統合を図る。Alibaba Cloud、Tencent Cloudへの一元的な接続サービスをユーザーに提供する。このプロジェクトは現在進行中だ」とコメントした。

 事実、チャイナユニコムのクラウドサービス分野での主な提携先はアリババとテンセントの2社だ。同社董事長(取締役会長)もかつて、「我々のクラウドと彼ら(アリババ、テンセント)のクラウドの関係をいかにして結合させるか。アリババとは協議を終えて、テンセントとは協議中だ」と発言したことがある。また、2017年9月には同社上海支社が「雲連接」「雲守護」「雲数聚」と称する3つの新しいクラウドサービスを発表している。

 韓氏は現在、チャイナユニコムが実施している「混合所有制改革」についても言及した(訳者注:混合所有制改革は、2016年11月に打ち出された国有企業改革を目指す国策。国の主導権を維持したまま、外国資本も含む民間資本を参加させて、市場競争力向上や近代的ガバナンスを実現させるねらいがある)。

 「混合所有制改革は我々にとてもすばらしい業務提携のチャンスを与えてくれた」と韓氏。また最近、チャイナユニコムはその傘下にビックデータを取り扱う会社を設立している。

 ある業界関係者は、チャイナユニコムは中国のデータ分野ですでに一定の優位性を保持していると評価する。「今後はすぐれた提携企業を通じてクラウドやビックデータ分野でさらなる頭角を現していくだろう」

工業・情報化省が進めるガソリン車の生産・販売停止計画

―新華社(2017年9月10日)

 「現在、世界の自動車産業はスマート化や電動化に向かって急加速している。中国でも伝統的エネルギー車の生産・販売停止スケジュールについて、すでに研究段階に入っている」――中国でIT政策を司る工業・情報化省で次官を務める辛国斌氏は、2017年9月9日に天津市の開発区で開催された「2017中国自動車産業発展(泰逹)国際フォーラム」の席上でこのように表明した。

 21世紀以降、中国の自動車産業は急速な成長を遂げ、2016年には生産・販売数が2800万台を突破、世界1位を8年連続で続けている。同産業が中国経済を支えている構図は日に日に増強されており、中国の全税収に占める税収、全雇用者数に占める雇用者数、全商品小売総額に占める売上高のいずれも自動車関連が10%を超えている。

 その中でも、特に新エネルギー自動車はすでに最大の生産・販売市場になっており、2016年における中国内の生産・販売台数は50万台を突破し、累計では100万台を超えた。これは全世界の50%を占める台数だ。

 「新エネルギー車の研究開発水準は高まり続け、中国ブランドの市場認知度も大幅に上昇した。一部はグローバルブランドと競争できる力を持っている」(辛氏)

 辛氏によると、現在、多くの国家が次々と成長戦略調整に入り、新エネルギーやインテリジェント化関連産業の配置を加速。なかには伝統的エネルギー車の生産停止スケジュールを制定する動きもあるという。そのうえで同氏は「工業・情報化省でも関連の研究を進めている。近く関係部門と共同で生産・販売停止スケジュールを制定する予定だ。これは中国の自動車産業の成長に大きな変化をもたらすだろう」とコメントした。

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