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東京電力PG、AIを活用した異常/劣化検知システムを約1300カ所の配電用変電所に導入

2018年12月18日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

東京電力パワーグリッド(東京電力PG)は2018年12月17日、画像・映像解析AIと異音検知AIによる変電設備異常診断システムを導入すると発表した。2019年度から東京電力PG管轄内の約1300カ所の配電用変電所へ導入し、巡視時間の50%以上削減を目指す。

 変電設備データを学習させた画像・映像解析AIを活用し、油入変圧器の漏油を検知し、外柵などの建物の異常を検知し、アナログメーターを自動で読み取る。さらに、異音検知AIを活用し、機器稼働音を学習することで、ベアリングなどの損傷や劣化を判別・検知する(写真1)。

写真1:東京電力パワーグリッドが画像・映像解析AIと異音検知AIを活用した変電設備異常診断システムを導入した(出典:東京電力パワーグリッド、NTTデータ)写真1:東京電力パワーグリッドが画像・映像解析AIと異音検知AIを活用した変電設備異常診断システムを導入した(出典:東京電力パワーグリッド、NTTデータ)
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 画像・映像解析AIは、AutomagiのAI製品「AMY INSIGHT」をベースに、NTTデータが開発を行っている。特徴は、ディープラーニング(深層学習)技術と映像解析手法を組み合わせた診断ができることである。

 異音検知AIは、NTTデータの異音検知製品「Monone」を活用している。特徴は、NTTグループの技術を活用し、異常音を事前に学習させることなく、正常音の学習だけで異常音の検知ができることである。

 東京電力PGはシステムを導入する背景について、「経年設備の増加や労働人口の減少が社会課題となっており、東京電力PGでも、約1300カ所の配電用変電所の設備保全効率化が課題となっていた」と説明している。

 システム構築を担当したNTTデータは、設備を保有・運営する業界に向けて、保全計画から保守までの業務プロセスを統合したサービス「デジタルメンテナンスソリューション」を展開している。

 東京電力PGとNTTデータの両社は、2017年度に、地下変電所と屋外変電所において変電設備の異常診断実証試験を行い、巡視時間を50%以上削減できることを確認した。これを受けて、今回導入を進めることにした。

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