ジャックスは、カスタマーセンターにAIを導入した。顧客からの問い合わせに対する回答候補を、オペレーターの画面に自動表示する。2019年3月から運用を開始している。日本IBMが2019年3月6日に発表した。
ジャックスは、各種の団体や企業と提携し、複数の支払い方法や独自の特典を提供するなど、顧客のライフスタイルに合わせた商品・サービスを用意している。カスタマーセンターでは、商品などの回答マニュアルに加え、都度発生するキャンペーン情報などを紙やデータベースで管理し、顧客からの多種多様な問い合わせに対応している。
構築したシステムでは、オペレーターが顧客の問い合わせを受電すると、会話を自動的にテキストに変換する。会話内容を分析できるソフト「IBM Watson Explorer」と、類似文書検索エンジン「Similarity Search」を使い、オペレーターの画面に回答候補を自動で表示する。
回答候補を表示することで、オペレーターの通話時間と保留時間を短縮をできる。さらに、経験年数に依存することなく高い品質で対応できるようになる。回答候補が正しかったかどうかをシステムにフィードバックする機能もあるため、マシンラーニング(機械学習)によって回答の精度を上げられる。
新人のオペレーターは従来、商品ラインアップ情報を網羅する複雑な紙マニュアルを理解する必要があったため、長期間の研修が必要だった。今回導入したAI技術により、研修時間を3割程度短縮できると見込んでいる。
ジャックスは今後、自社WebサイトでのFAQの充実などを通じて、顧客がストレスなく問い合わせに対する回答を得られる仕組みの向上を図る。