米IBMは2019年7月9日(米国現地時間)、Linuxを中核とするオープンソースソフトウェア事業最大手の米レッドハット(Red Hat)の買収を完了したと発表した。買収額は約340億ドル(約3兆7000億円)で、米IBMにとって過去最大規模の買収となった。
IBMとレッドハット(Red Hat)は、2018年10月にIBMがレッドハットを買収することを発表していた(関連記事:米IBMが米レッドハットを340億ドルで買収へ、過去最大の投資でOSS/クラウド戦略を加速)。今回、買収が完了した。
レッドハットは今後、IBMのクラウド&コグニティブ・ソフトウェア事業の独立部門として運営する。レッドハットの本社(ノースカロライナ州ローリー)、施設、ブランド、およびオペレーションはそのまま維持する。
レッドハットの2019年度(2018年3月~2019年2月)の収益は、34億ドル(前年同期比15%増)である。2020年度第1四半期の収益は、9億3400万ドル(前年同期比15%増)である。中核事業となるRed Hat Enterprise Linux(RHEL)単体で、2019年に全世界で10兆ドル以上の収益を見込んでいる。
IBMのクラウド分野の収益は、2013年度には全体の4%だったが、現在は25%に増えている。2019年第1四半期までの12カ月で、クラウド分野の収益は190億ドル以上に達した。レッドハットの買収によって、今後5年間でIBMの年平均成長率は約2ポイント上昇する見込み。
レッドハットの買収にあたってIBM会長・社長兼CEOのジニー・ロメッティ(Ginni Rometty)氏は、「ユーザー企業は、ミッションクリティカルなワークロードをクラウドに移行している。ハイブリッド・マルチクラウド環境を管理するため、オープンで柔軟なテクノロジーと信頼できるパートナーを必要としている」とコメントしている。
一方、レッドハット社長兼CEOのジム・ホワイトハースト(Jim Whitehurst)氏は、「オープンソースは、企業が抱える課題を解決する。IBMとのパートナーシップにより、オープンソースによるイノベーションを、より多くの企業や組織に提供できるようになる」とコメントしている。
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