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FFG、長崎県の中小企業にデジタル化を指南─地場企業の成長なしには銀行の将来もなし

2020年1月30日(木)田口 潤(IT Leaders編集部)

ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)は長崎県の中堅・中小企業に対し、情報化やデジタル化をコンサルティングするサービスを始めた。事業資金の融資や顧客開拓、事業承継などの相談ならいざ知らず、情報化やデジタル化を地銀が支援するのは珍しい。背景には何があるのか?

4割の中堅・中小企業がメールを使いこなせず

 RPAによる業務自動化、IoTやAIなどデジタル技術の活用などは、今やそれほど珍しくなくなったかに思える。ところが中堅・中小企業に目を転じると、全く違った景色が見えてくる。

 図1を見ていただきたい。2016年と少々古い調査だが、オフィスソフトや電子メールでさえ、4割を超える企業が「限定的な利用」あるいは「利用していない」と回答。業務ソフトの利用も低調で、情報化が進んでいない現実がある。1万社超あるとされる大企業はさておき、380万社と数の上で圧倒する中堅・中小企業に情報化の波は及んでいないのだ。

図1:中小企業における情報化の実情(出典:全国中小企業取引振興協会「中小企業・小規模事業者の経営課題に関するアンケート調査」、2016年1月)
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 こんな状況を変えようと、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)が長崎県を営業エリアにする傘下の親和銀行と十八銀行を通じて、同県下の企業に対する「デジタル化支援コンサルティング」に乗り出した。人材や知見の不足が理由でIT活用に着手できない中堅・中小企業を対象に、主にクラウドサービスの導入をサポートする。

 背景には、必要とされていて仕事もあるのに生産性が低くて人を集められない企業が少なくない、一般のITベンダーに委託しようとしても予算感が合わない、県下の中堅・中小企業が活性化しないと地方銀行も厳しい状況になる、といった事情が挙げられる。すでに2019年から試行的に着手しており、ノウハウや事業モデルを確立した上で他の地域でも展開する計画である。

●Next:地銀が行うデジタル化支援サービスとは?

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