デル・テクノロジーズは2021年3月25日、米Dell Technologies傘下のクラウド型データ統合サービスベンダー、米Boomiのワークフローサービス「Boomi Flow」を強化したと発表した。オンプレミス環境など任意の場所でワークフローを処理できるようにした。業務データをローカル環境の外部に出すことなく運用できるようになった。強化機能は同年3月9日(米国時間)から利用可能になっている。
「Boomi Flow」は、クラウド型データ統合サービスベンダーの米Boomiが開発・提供するワークフローサービスである(図1)。申請/承認のヒューマン系ワークフローを設計・実行する機能と、データ統合基盤のBoomi Integrationをつないでシステム連携フローを設計・実行する機能を併せ持つ。
拡大画像表示
データ統合基盤であるBoomi IntegrationのWebフロントエンド画面をローコードで開発する機能も備える。Boomi Integrationが管理しているデータソースをリストで表示し、データソースを選んで中身を参照するなど、データを参照するためのWebアプリケーションを、コードを記述することなく開発できる。
Boomi Flowは、以前はクラウド上でワークフローを実行するしかなかった。このため、社内システムのデータを使ったワークフローの場合、システムの都合上、社内システムのデータをクラウドに転送する仕組みになっていた。今回の強化によって、これを改善しローカル環境でワークフロー処理を実行できるようにしている。
画面1にあるように、ワークフロー処理のランタイム(実行環境)を、オンプレミスなど任意の環境に配置できるようにした。ランタイムは、ランタイムエンジンとPostgreSQLを含んだコンテナイメージとして実装している。このコンテナのデプロイ先を選べるようにした。一方、ワークフローの開発は、これまで通りクラウドサービスとして提供する。
拡大画像表示
なお、ランタイムをオンプレミス環境などに配置できる製品は、上位版のEnterpriseエディションである。標準版は、これまで通りランタイム環境も含めてクラウドサービスとして提供する。価格(税別)はEnterpriseエディションが年額1000万円弱(アプリケーション2個まで)から、クラウド版が年額500万円からとなっている。