NECとNECプラットフォームズは2021年4月7日、拠点間接続やリモートアクセス向けのVPNルーター機器「UNIVERGE IXシリーズ」の新モデル「UNIVERGE IX2310」を発表した。同年4月28日から出荷する。新モデルのデータ転送速度は10Gbit/sで、従来モデルの約5倍にあたる。リモートワークの普及によって通信トラフィック量が増えているユーザー企業のネットワーク環境を改善する。価格(税別)は35万8000円で、販売目標としてIXシリーズ全体で年間15万台を掲げる。
NEC/NECプラットフォームズの「UNIVERGE IX2310」は、拠点間接続やリモートアクセス向けのVPNルーター機器で、弁当箱サイズの小型モデルである(写真1)。「IX2000シリーズ」の現行モデル群(IX2215/IX2207/ IX2106)と比べて、データ転送速度を約5倍となる10Gbit/sへと高めている。
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10Gbit/sのインタフェースを4つ備えており、10Gbit/sの高速インターネット接続サービスを従来モデルよりも高速に利用できる。また、VPN接続時の性能は4Gbit/s、VPN対地数は256で、中小規模のセンタールーターとしても適している。USBポートも1つ備えており、データ通信端末を取り付けることでモバイル通信回線も利用できる。
指定の宛先(URL/IPアドレス)のトラフィックを特定の経路に転送するURLオフロード機能を強化し、音声・映像のなどに用いるUDPの経路を切り替えられるようにした(図1)。拠点間をVPNで接続してインターネットアクセスをデータセンターに集約している場合でも、オンライン会議の通信は直接拠点からインターネットに接続するといった制御が可能になった。
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オプションのUTM(統合脅威管理)ライセンスを購入すると、ウイルス対策、IPS(不正侵入防止)、Webフィルタ(Webガード/URLフィルタリング)の機能を利用できる。UTMライセンスの価格は1年間で5万円、5年間で20万円となっている。
運用面では、NECプラットフォームズのクラウド型統合管理サービス「NetMeister」を利用できる。NetMeisterでは、ゼロタッチプロビジョニング機能を備え、拠点へのルーター導入時に事前のキッティング作業や現地での設定作業が不要になる。