クラウドアプリケーション向けの監視およびセキュリティ基盤を提供する米Datadogは2021年7月1日(米国時間)、Salesforce基盤とのインテグレーションを発表した。Salesforce基盤向けのリアルタイム監視と脅威検知機能を提供する。これにより、Salesforce管理部門とセキュリティ部門は、ユーザー、基盤、APIアクティビティを可視化し、疑わしいふるまいの検知と対応が可能になる。Datadogの日本法人が同年7月12日に発表した。
米Datadogは、Salesforce基盤向けのリアルタイム監視と脅威検知機能を用意した(画面1)。SalesforceとDatadogのインテグレーションにより、Salesforce管理部門は誰がデータにアクセスし、どのようなアクションをしているかを可視化して、ユーザーの不自然な動きやデータ侵害の可能性をプロアクティブに特定できる。Salesforceのデータと関連イベントをリアルタイムに監視できるほか、問題を迅速に特定して解決できる。
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米Salesforce.comは、「DatadogとSalesforce Event Monitoringを組み合わせることで、通常は複数の監視ツールを使って2週間かかっていた調査を、数回のクリック操作で、数分間で完了できる」としている。
両製品のインテグレーションによって提供できる機能は、以下の通り。
- リアルタイムユーザーモニタリング
ログイン・ログアウトのふるまいを可視化し、ユーザーが作成・アクセス・更新・削除したオブジェクトを追跡する - プラットフォームAPIアクティビティの可視化
SalesforceのSOAP/REST/Bulk APIの使用状況を表示する - 脅威検知
事前に作成した検知ルールを利用して、不審なレコードエクスポートや無効アカウントからのログイン試行など、Salesforce org内での怪しいふるまいをプロアクティブに特定し、対応する - 初期設定のまま利用できるSalesforceダッシュボード
Salesforceの監視および脅威検知データを専用のダッシュボードに表示する
「Salesforceのデータは極めて機密性が高く、セキュリティ部門とSalesforce管理部門は協力して潜在的な問題を特定しなければならない。今回のインテグレーションは、データを安全な状態に保つために必要な監視およびセキュリティ機能を提供する」(Datadog)
製品提供の背景についてDatadogは、近年、機密情報や重要な顧客、製品、注文などの情報を記録・保存するためのコアシステムとしてSalesforce.comを利用する企業が増えていることを挙げる。
Datadogは、クラウドアプリケーション向けの監視およびセキュリティ基盤を提供している。同社のSaaS基盤は、インフラストラクチャの監視、アプリケーション性能の監視、ログ管理、などの機能を統合・自動化している。Salesforce.comなどのアプリケーションの稼働状況をリアルタイムに監視できる。