欧州委員会の統計担当部局ユーロスタット(Eurostat)は、欧州企業のIoTおよびインターネット全般の利用実態を調査している。その資料に基づいて、2022年1月末にドイツの連邦統計局(Destatis)が、同国のIoT/インターネットの利用実態を発表している。さまざまな指標があるが、調査全体として、ドイツのIoT利用はEU内で5番目に高いという結果になっている。本稿ではその内容を紹介する。
IoTの用途は警備・警報システムが多い
図1は、ドイツ連邦統計局(Destatis)が公開している、EU各国(全27カ国)の2021年にIoTを利用した企業の割合である。ベースの調査は欧州委員会ユーロスタット(Eurostat)が行っている。
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このグラフが示すように、IoT利用率は上から順にオーストリア(51%)、スロベニア(49%)、フィンランド(40%)、スウェーデン(40%)、ドイツ(36%)となっている。
EU全体の平均値は29%で、この値を超えるのは、上の5カ国に加えて、アイルランド、キプロス、イタリア、チェコである。その他、スペイン、英国、フランス、オランダ、デンマークなどの欧州の主要国は意外なことに軒並み平均値を下回っている。一方、欧州でIoT利用率が低いのは、下から順にポーランド、エストニア、ブルガリア、ルーマニアだった。
Destatisによると、ドイツ企業のIoT利用で特徴的なのは、警備・警報システムの導入が多いことだという。例えば、対盗難の警報システム、火災の煙探知機システム、ドアロックシステム、監視カメラなどでIoTを用いているという。ドイツではこの類のシステムがIoT利用全体の21%を占め、これはEU全体の平均値と同じである。
IoTは遠隔からのエネルギー管理にも活用されている。ドイツでは全企業の11%が利用し、EU平均9%を少し上回っている。エネルギー管理を含む他の用途でのIoT利用率は以下のとおりとなっている。総じてIoTの利用目的としては、どの国もあまり大きく変わらないことがわかる。
●エネルギー管理:ドイツ(11%)、EU平均(9%)
●機器メンテナンス管理:ドイツ(9%)、EU平均(7%)
●物流管理:ドイツ(6%)、EU平均(6%)
●生産工程監視・制御:ドイツ(5%)、EU平均(5%)
●顧客行動管理:ドイツ(3%)、EU平均(4%)
●Next:ソーシャルメディアやビッグデータ解析の活用は?
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