[事例ニュース]
清水建設、数百社が参加する月次会合の運営業務をデジタル化、ローコード開発で短期構築
2022年9月26日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)
清水建設は、月次で開催している「特別安全衛生協議会」の運営に伴う業務をデジタル化した。数百社におよぶ協力会社が参加する同協議会の運営業務をこれまでメールやファクスで行っていたのを、今回システムを開発して効率化。ローコード開発ツール「Oracle Application Express(APEX)」などを用いて1カ月で構築した。日本オラクルが2022年9月26日に発表した。
清水建設は、月次で開催している「特別安全衛生協議会」の運営に伴う業務をデジタル化した。同協議会は、建設現場において定期的に行う安全管理活動の1つ。それぞれの建設現場において最大数百社におよぶ協力会社が参加し、作業間連絡調整などの情報共有や災害の未然防止を目的に開催している。
同協議会の運営において従来は、出欠確認連絡、実施、報告書の承認、保管までの一連の業務をメールやファクスで行っていた。書類は紙ベースで作成・保管していたという。今回、この業務フローを整理し、モバイルやWebアプリケーションからデータを入力し、関連データをシステム上で保管できるようにした。
システム開発にあたって、ローコード開発ツールを活用した。データベースとして自律運用機能を備えた「Oracle Autonomous Data Warehouse」を、ローコード開発ツールとして「Oracle Application Express(APEX)」を、データ可視化基盤として「Oracle Analytics Cloud」を採用している。
アプリケーションはOracle APEXを用い、1カ月で構築した。日本オラクルのコンサルティング部門の支援の下、2021年10月に開発を始め、1カ月後の11月から建設現場での利用を開始した。現在は9カ所の現場に利用が広がっている。
「すでに利用が始まっている現場では、毎月の協議会の準備から開催、帳票作成までの業務時間が大幅に短くなった。今後、全国の建設現場での導入を進める。将来的には、施工管理をはじめ、建設現場で手作業や紙ベースで管理している帳票、作業記録、報告書などもデータとしてシステム内に蓄積していく」(清水建設)