NECネッツエスアイ(NESIC)は2023年3月29日、SaaS高速化サービス「Cloudbrink」(開発元:米クラウドブリンク)を発表した。クライアントPCとSaaSの間のネットワーク接続を、AIによる経路選択やUDPプロトコルへの変換などの手段で高速化する。クライアントPC側に専用のエージェントソフトウェアをインストールしたうえで、接続先のSaaSを指定して使う。価格(税別)は1ユーザーあたり年額2400円。
NESICが販売を始める「Cloudbrink」は、米クラウドブリンクが開発した、ZoomやMicrosoft Team、BoxといったSaaSの高速化サービスである(図1)。クライアントPCとSaaSの間のネットワーク接続を、AIによる経路選択やUDPプロトコルへの変換などの手段で高速化する。クライアントPCに専用のエージェントソフトウェア(Windowsで動作)をインストールしたうえで、接続先のSaaSを指定して使う。
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ユーザーのクライアントPCとSaaSをつなぐため、独自のネットワーク網を構築している。クラウドベンダーや電気通信業者とパートナーシップを結び、世界600箇所以上(2023年3月現在。2023年中に2000箇所まで拡張予定)に仮想エッジを配置している。このインフラを基に、AIを活用して経路を選択する。
経路の制御に加えて、UDPベースの独自プロトコルによって通信の効率化する。TCPをUDP化して通信遅延を減らしつつ、通信状況を監視し、ネットワーク環境に応じてパケットの複製と再送を実施して通信を安定化する。
クライアントPC側に専用のエージェントソフトウェアをインストールするだけで使えることから、導入時に機器や回線の準備が不要である。オプションで、Cloudbrinkを介してSaaSではなく社内LANにアクセスするための通信エッジ製品「Cloudbrink Connector」も提供する予定である。