KDDIは2024年11月7日、セキュリティサービス事業者のラックをTOB(公開買付け)により完全子会社化すると発表した。買付代金の総額は約246億円で、全株式取得後にラックは上場廃止となる。KDDIのネットワークサービスとラックのサイバーセキュリティサービスを一体化して提供できる体制を整える。
KDDIは、セキュリティサービス事業者のラックを、TOB(公開買付け)によって完全子会社化する。買付代金の総額は約246億円で、全株式取得後にラックは上場廃止となる。KDDIのネットワークサービスとラックのサイバーセキュリティサービスを一体化して提供できる体制を整える。
買付価格は1株あたり1160円で、公開買付け公表日の前営業日である2024年11月6日の終値742円に対して56.33%のプレミアムを付けた。11月下旬に公開買付けを開始し、買付期間は30営業日。取得できなかった株式はスクイーズアウト手続きで強制的に取得する。
KDDIは2007年にラックと資本提携し、2024年3月31日時点でラックの株の31.59%を所有する筆頭株主である。両社はこれまで、新サービスの共同開発やクラウド/IoT領域への拡大などに取り組んできた。2018年2月には合弁会社「KDDIデジタルセキュリティ」を設立している(関連記事:KDDIとラック、合弁会社「KDDIデジタルセキュリティ」を設立)。
両社は今後、ラックのサイバーセキュリティサービスとKDDIのネットワークサービスを一体化し、コンサルティングから監視・運用まで一貫したサイバーセキュリティサービスの新規展開を目指す。既存事業では、両社のサービスを組み合わせ、顧客や販路でのサービスの拡充を通じて収益を拡大し、セキュリティーサービスの一体化やリソースの最適化を図る。
また、ラックの運用・監視サービスなどを通じて蓄積したサイバーセキュリティに関する脅威情報を、KDDIのAI/データ分析技術を使って自動的に処理し、サイバー攻撃の動向を可視化するサービスを開発するなど、新たな価値の創出と生産性の向上を目指すとしている。