[事例ニュース]

KDDI、店舗受付システムの利用状況を分析してUIと機能を改善、接客を効率化

2025年4月30日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

KDDI(本社:東京都千代田区)は、店舗受付システムの使い勝手を高め、調べもののために接客時間が無駄に長くなってしまうことを抑制する取り組みとして、アプリケーションの利用状況を分析するツール「Pendo」を導入した。これにより、実際の利用状況データに基づいてシステムを改善できるようになった。Pendo.io Japanが2025年4月30日に発表した。

 KDDIの商材を取り扱う店舗(auショップや家電量販店など)のスタッフは、店舗受付システムを搭載したタブレットを接客に使っている。全国で約1万以上の拠点で、約4万台のタブレットが店舗受付システムを利用している。

 一方、商材やサービスの増加にともない、店舗受付システムのユーザーインタフェースやワークフローが複雑化してしまい、接客時間が長くなっていた。これを解決するため、店舗スタッフと顧客のやり取りにおいて、システムのどの部分の効率が悪いのかなど、利用状況を分析した。

 従来は、現場からの定性的なフィードバックを基に、改善要望をシステム部門にリクエストしていた。しかし、定量的なデータを測ることが困難だったことから、リクエストに優先順位を付けることが難しかった。実装後の成果を把握することも困難だった。

図1:Pendoの概要(出典:Pendo.io Japan)
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 こうした背景から今回、アプリケーションの利用状況を分析するツール「Pendo」を導入した(図1)。伝え聞いた情報ではなく、実際の利用状況データに基づいて、システムのアップデートや店舗スタッフのオンボーディングに関する意思決定を行えるようになった。

特定機能の利用率を把握、効果検証にも利用

 店舗スタッフが顧客の申し込み情報を入力する際の特定の画面遷移について、企画部門は従来、必要不可欠なもので廃止は困難という見解を持っていた。しかし、これらの機能はロジックの複雑さの原因だった。そこで、特定の画面遷移が必要かどうかを見極めるため、Pendoを活用して利用状況を分析した。この結果、利用状況は多くないことが分かった。

 Pendoは、新機能の効果を検証する用途にも役立っている。今回KDDIは、不正契約の可能性がある場合に警告画面を表示して店舗スタッフに注意を促す機能を追加、誤って不正契約に進むケースを16%削減した。従来、新機能の有効性を証明するためにはローデータの収集が必要だったが、Pendoを導入したことで、施策の効果実証が容易になった。

操作ガイドを画面に表示する機能も活用

 Pendoが持つ、操作ガイドを表示する機能も活用している。Pendo導入前は、確認が必要な情報は、KDDIからの通知やマニュアルを参照していた。これでも解決しない場合は、サポートセンターに問い合わせていた。この結果、待ち時間が長くなり、顧客の不満につながることもあった。

 問い合わせが発生しやすいポイントにガイドを表示することで、サポートセンターへの問い合わせを減らし、接客スピードを高められる。KDDIは現在、サポートセンターへの問い合わせ減少を目的に、店舗支援チームとともにガイド施策を検討し、検証段階に入っている。

 効果も出ている。アプリケーションのバージョンアップ通知は見落とされるリスクがあったため、Pendoのガイド表示機能を使って通知した。この結果、導入初日に57%がバージョンアップした。従来の案内方法では40%しかバージョンアップしないので、バージョンアップ率が高まった。

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