東京システムハウス(TSH)は2025年7月31日、COBOLシステムの開発・運用を支援する生成AIシステム「AIベテランエンジニア」をv1.1にバージョンアップした。新版では、MCPサーバー機能を追加し、MCPクライアント対応のAI駆動開発ツール/開発環境からCOBOLシステムのナレッジやソースコード修正案を取得可能になった。
東京システムハウス(TSH)の「AIベテランエンジニア」は、COBOLエンジニアの知見を基に、レガシーシステムの開発・運用を支援する生成AIシステムである。生成AI/大規模言語モデル(LLM)としてGoogle Cloudの「Gemini」を利用して、「仕様書作成システム」と「質疑応答システム」を提供する(関連記事:レガシーシステム運用を支援する「AIベテランエンジニア」、COBOLコードから仕様書を自動生成─TSH)。
仕様書作成システムは、COBOLシステムのコードをアップロードすると仕様書を自動生成する。COBOLシステム資産を分析し、同言語の仕様書を構成する。質疑応答システムでは、COBOLシステムに関する質問に対し、RAG(検索拡張生成)構成により、自社の仕様書やCOBOLのナレッジから回答する。コードの生成や不具合の調査、コード修正案の提示なども行える。

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新版のv1.1では、MCP(Model Context Protocol)サーバー機能が加わった。「GitHub Copilot」などMCPクライアントとして動作可能なAI駆動開発ツール/開発環境から、AIベテランエンジニアのMCPサーバーに接続し、AIベテランエンジニアの機能を利用できる(図1)。
例えば、ユーザーがAI駆動開発ツールのチャット画面から、COBOLプログラムの修正やリファクタリングなどを依頼すると、MCPで接続されたAIベテランエンジニアが修正案などを返す。AI駆動開発ツールでは、これをソースコードに反映させることなどができる(画面1)。

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また、新版では、AIベテランエンジニアのUIとなるチャットツールを拡充している。「Google Workspace」の「Google Chat」や既存Webサイトに埋め込み可能なウィジェットに加えて、PythonのUIライブラリ「Gradio」を用いて構築したチャットツールも使えるようになった(画面2)。

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