[新製品・サービス]

日立、Java APサーバーの高信頼化アドイン新版「uCosminexus Application Runtime V1.20」、Spring AIに対応

動作環境にWindows ServerとAmazon Linux 2023を追加

2025年12月10日(水)IT Leaders編集部、日川 佳三

日立製作所は2025年12月10日、Javaアプリケーションサーバーの高信頼化アドイン新版「uCosminexus Application Runtime V1.20」をリリースした。同アドインは、Apache Tomcat/Spring BootによるJavaアプリケーションサーバーに、トレースや障害検知などのRAS(信頼性・可用性・保守性)機構を追加する製品。新版では、JavaによるAIアプリケーション開発・実行のためのSpring AIに対応したほか、動作環境にWindows ServerとAmazon Linux 2023を追加した。価格(税別)は月額2万2300円から。

 日立製作所の「uCosminexus(ユー・コズミネクサス)Application Runtime」は、オープンソースのApache Tomcat/Spring BootによるJavaアプリケーションサーバーに、トレースや障害検知などのRAS(信頼性・可用性・保守性)機構を追加するアドインソフトウェアである(図1)。

 アドインの使用ライセンスと、アドインおよびTomcat/Spring Bootのサポートサービスをセットで提供する。開発段階から利用することで、長期運用を見据えた設計や性能・障害対応の事前検証が可能になる。

図1:Javaアプリケーションサーバー高信頼化アドイン「uCosminexus Application Runtime」の概要(出典:日立製作所)
拡大画像表示

 アドインの対象となるTomcatは、Java言語で開発したWebアプリケーション(サーブレット)を実行するための標準的なミドルウェアである。Web(HTTP)サーバーと合わせて、Javaアプリケーション開発・実行のベースとなる。一方のSpring Bootは、Apache Strutsからの移行先として標準的に利用されている、画面推移のためのMVC(Model、View、Control)フレームワークである。中~大規模のWebアプリケーション開発に向く。

 uCosminexus Application Runtimeによる障害監視は、アドインが監視用のプロセスを起動し、それが親プロセスとしてTomcat/Spring Bootのプロセスを監視する。また、両プロセスで動作するアドインの監視エージェントにより、両プロセスで発生した障害を監視用のプロセスに通知する。

 トレースは、Tomcat/Spring Bootの公開API、サーブレットのAPI、データベースアクセスAPIなどを呼び出した時に入口と出口で取得する。これにより、障害の要因がTomcat/Spring Boot、アプリケーション、データのどこにあるかを切り分ける。トレースの取得箇所は必要最小限に絞っており、トレースを取得するスレッドとは別スレッドが非同期にファイルに書き込むため、トレースがアプリケーションの動作に与える影響はほとんどないとしている。

 Java実行環境として「日立JDK」を組み合わせることで、JavaVMについても日本語でのサポートを受けられる(図2)。標準のJavaVMとの相違点として、日立JavaVMでは、性能低下を引き起こすフルGC(ガベージコレクション)を起こさない工夫を施している。オブジェクトを格納するヒープ領域のうち、あまり使わないオブジェクトを退避させるOld領域にSessionオブジェクトを格納しないようにしてフルGCを回避している(関連記事日立、アプリケーションサーバー新版「Cosminexus V11」でクラウド移行支援を強化)。

図2:「uCosminexus Application Runtime」の製品構成(出典:日立製作所)
拡大画像表示

 uCosminexus Application Runtimeの新版「V1.20」では、JavaによるAIアプリケーション開発・実行を実現するSpring AIに対応した。AIアプリケーションにおいても、実行時の入出力処理や外部サービスの呼び出し状況などをトレースできるようになった。

 また、動作環境として、従来のLinux系OSに加えて、Windows ServerとAmazon Linux 2023に対応した。既存資産を生かした移行やクラウドネイティブへの刷新などにおいても、再構築や大規模なコード変更を必要とせず、移行コストを抑えながら適用できるようになった。

 価格(月額、税別)はコア数に応じたライセンス体系を採用している。Tomcatによるアプリケーションサーバー版が2万2300円から、同版と日立JDKのセットが2万5100円から。Tomcat/Spring Bootによるアプリケーションサーバー版が3万3300円から、同版と日立JDKのセットが3万7500円から。

関連キーワード

日立製作所 / アプリケーションサーバー / Cosminexus / Java / Webアプリケーション / Spring / Tomcat / Window Server

関連記事

トピックス

[Sponsored]

日立、Java APサーバーの高信頼化アドイン新版「uCosminexus Application Runtime V1.20」、Spring AIに対応日立製作所は2025年12月10日、Javaアプリケーションサーバーの高信頼化アドイン新版「uCosminexus Application Runtime V1.20」をリリースした。同アドインは、Apache Tomcat/Spring BootによるJavaアプリケーションサーバーに、トレースや障害検知などのRAS(信頼性・可用性・保守性)機構を追加する製品。新版では、JavaによるAIアプリケーション開発・実行のためのSpring AIに対応したほか、動作環境にWindows ServerとAmazon Linux 2023を追加した。価格(税別)は月額2万2300円から。

PAGE TOP