信越化学工業(本社:東京都千代田区)は、全従業員が使う人事システム「POSITIVE」の使い勝手を高めるため、デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)の「テックタッチ」を活用している。電通総研の「テックタッチテンプレート for POSITIVE」を採用し、2024年12月から全社で利用を開始した。テックタッチと電通総研が2025年9月4日に発表した。
信越化学工業は、塩ビ、シリコンウエハー、シリコーンなど、社会基盤を支える基礎素材から先端材料まで幅広く製造するグローバル化学メーカーである。特に塩ビ、半導体シリコン、シリコーン、半導体関連材料で世界トップクラスのシェアを持ち、売上の7割以上を海外が占めている。
同社の人事部門では、従業員が行う年末調整の申請や扶養家族の変更といった手続きにおいて、問い合わせへの対応や入力ミスの修正などに業務負荷を感じていた。従業員にとっても、手続きで使う専門用語が難しく、申請作業が負担になっていたという。
そこで、人事部門と従業員双方の課題を解決するため、全社で利用している電通総研の人事システム「POSITIVE」の操作性・使い勝手の改善を検討。デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)の「テックタッチ」の採用を決定した(関連記事:デジタルアダプション「テックタッチ」、フローティングバナーを容易に実装する新機能)。
テックタッチを導入すると、社内のエンドユーザーが普段利用しているSaaS/アプリや、顧客が訪れるサイトなどの画面上に、操作を支援するガイドやヒントをリアルタイムに表示する(画面1)。Webブラウザに専用プラグインをインストールすることで利用できる。

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導入にあたって、電通総研が提供しているテンプレート群「テックタッチテンプレート for POSITIVE」を活用した。テンプレート群による導入支援により、テックタッチの契約から約3カ月後の2024年12月から全社で利用を開始している。特に年末調整申請では、つまずきやすい操作に対する定型ガイドを網羅した約100種類のテンプレートが有効だったという(画面2)。

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導入後のアンケート調査では、年末調整申請において従業員の75%が操作時間と業務負荷の削減を実感したと回答。通常の届出申請でも、従業員の68%が同様の効果を感じている。「安心して申請できるようになった」という声が多く寄せられ、従業員の90%がDAPの取り組みを高く評価している。