三菱電機は2025年9月9日、工場などのOT(制御技術)分野を対象としたセキュリティ製品を手がける米Nozomi Networksを買収すると発表した。現在7.0%の株を保有しているが、2025年中に残りの93%を取得して完全子会社化する。買収価額は約8億8300万ドル(約1300億円)。買収により、OTセキュリティ事業を強化する。
三菱電機は、工場などのOT(制御技術)分野を対象としたセキュリティ製品を手がける米ノゾミネットワークス(Nozomi Networks、以下Nozomi)を買収する(図1)。現在7.0%の株を保有しているが、2025年中に残りの93%を取得して完全子会社化する。買収価額は約8億8300万ドル(約1300億円)。

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三菱電機は従来、IT分野だけでなく、OT分野に向けてセキュリティサービスを提供してきた。現場の設備やシステムをサイバー攻撃から守るため、アセスメント、コンサルティング、監視・分析サービスなどを提供してきた。
今回、OTセキュリティ事業を強化するため、Nozomiを買収する。Nozomiの侵入検知・可視化製品を介して得られるデータを活用した、新たなセキュリティサービスも構築する。
Nozomiの最近3年間の売上高は、2022年12月期が4237万7000ドル、2023年12月期は6256万ドル、2024年12月期は7469万5000ドルで、3年間の年平均成長率は33%である。粗利率は7割を超えるという。
三菱電機は、Nozomiの買収を通じて、データ活用を通じて事業横断型のサービスを実現するデジタル基盤「Serendie(セレンディ)」関連事業の売上を、2025年度見込の6億8000億円から2030年度には1兆1000億円へと拡大する目標を掲げている。