デロイト トーマツ ミック経済研究所は2025年9月12日、国内ERPパッケージの市場規模とトレンドを調査した結果を発表した。市場規模は2024年度が前年比115.4%の3426.9億円、2025年度は前年比115.7%の3965.2億円になる見通し。2024~2029年度まで年平均16.6%増で成長し、2029年度には7400億円市場に達するという。
デロイト トーマツ ミック経済研究所は、国内ERPパッケージの市場規模とトレンドを調査した。ERPベンダー56社を対象に、4つの対象ユーザー規模別(大手/中堅/中規模/小規模)に調査。2023年度~2025年度(見込み)の結果分析および2029年度までの予測を示している。

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4つの対象ユーザー規模を合算した全体では、2024年度が前年比115.4%の3426億9000万円、2025年度は同115.7%の3965億2000万円を見込む。2024~2029年度まで年平均16.6%増で成長を続け、2029年度には7400億円市場に達すると予測している(図1)。
大手企業(年商500億円以上)向けERP市場は、2024年度の出荷金額が前年対比115.1%の1127億3000万円だった。「Fit to Standardを実現する基本機能の拡充や、AIを活用した先端技術への期待から、SaaSを中心としたクラウドERPへの移行が順調に進んでいる。また、新リース会計基準やタレントマネジメントなどがトピックになっている」(デロイト トーマツ ミック経済研究所)。
中堅企業(同50~500億円)向けERP市場は、2024年度の出荷金額が前年対比108.2%の1099億5000万円だった。「SAP ERPが2027年に保守切れを迎える問題によりリプレースが進んでいる。特に、親会社がグローバル系ERPを使っている関連子会社は、親会社のERPリプレースのタイミングで国産ERPを検討するケースが増えている」(同社)。
中規模企業(同5~50億円)向けERP市場は、2024年度の出荷金額が前年対比121.5%の434億7000万円だった。「顧客ターゲットが上位層に拡大していることによるアップセル、複数製品のセット導入によるクロスセルで案件単価が向上し、好調を維持している」(同社)。
小規模企業(同5億円未満)向けERP市場は、2024年度の出荷金額が前年対比124.2%の765億4000万円で、前年に引き続き大きく伸長している。「単一のプロダクトではなく、複数サービスのセット導入が増えたことによる顧客単価上昇や、ターゲットレンジが上位に上がっていることによる案件大型化が成長を押し上げている」(同社)。