[事例ニュース]
住信SBIネット銀行、勘定系システムをオンプレミスからAWSに移行、2028年に稼働へ
2025年9月18日(木)IT Leaders編集部、日川 佳三
住信SBIネット銀行(本店:東京都港区)は2025年9月18日、オンプレミスで稼働している現行の勘定系システムを、2028年初旬を目途にAWSの東京/大阪マルチリージョン環境に移行すると発表した。AWSのサービスとインフラの活用によってスケーラビリティを高め、3000万口座以上のデータを扱えるようにする。運用コストは約30%削減する見込みである。
住信SBIネット銀行は、預金・決済・融資などのフルバンキング機能がオンラインで完結する“デジタルバンク”である。2007年9月に営業を開始して以来、口座数は825万、預金総残高は11兆円を突破したという。
同行は勘定系システムに、日本IBMのオープン勘定系システム「NEFSS(Next Evolution in Financial Services Systems)」を採用しオンプレミス環境で運用している。
2017年、クラウドファーストの方針を採用し、勘定系以外の商用システムをAmazon Web Services(AWS)に移行するプロジェクトが始動。2020年にインターネットバンキングのデータベースを、オンプレミスのOracle Databaseから「Amazon Aurora PostgreSQL」に移行している。また、2023年8月よりAWS東京/大阪マルチリージョンでの冗長化構成をとる(関連記事:住信SBIネット銀行、ネットバンキング基盤をAWS東京/大阪リージョンで冗長構成、障害検知から5分以内に復旧)。
次の取り組みとして、オンプレミスで稼働している勘定系システムを、AWSの東京/大阪マルチリージョン環境に移行する。
この移行が完了すれば、住信SBIネット銀行の主要システムすべてがAWSで稼働することになる。図1にあるように、現行システムのNEFSSをベースに、「Amazon RDS for Db2」などAWSのマネージドサービスを利用する。AWSの活用によってスケーラビリティを高め、3000万口座以上のデータを扱えるようにする。運用コストは約30%の削減を見込んでいる。

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