[新製品・サービス]
大日本印刷、文書データを生成AI向けに整形する「DNPノウハウ継承支援サービス」
2025年10月8日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)
大日本印刷(DNP)は2025年10月8日、「DNPノウハウ継承支援サービス」を提供開始した。社員の経験や知恵などのノウハウを整理し、生成AIを介して共有・利用できる環境を提供する。販売目標は2026年度までに累計100件。
大日本印刷(DNP)の「DNPノウハウ継承支援サービス」は、社員の経験や知恵などのノウハウを整理し、RAG(検索拡張生成)構成の生成AIなどを介してこれらのデータを共有・利用する環境を構築するサービスである(図1)。

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社内に分散するPDFやWordなどの文書ファイルを、DNPが開発したAIモデルを用いて、生成AIが参照しやすいデータ形式に整形する。テキストや画像などが混在した文書をタイトル、本文、画像、表、キャプションなどの要素ごとに分割する。
製品化にあたっては、同社内で熟練技術者へのインタビューやワークショップを実施し、ノウハウをどのように整理・言語化すれば効果的に伝承・継承できるかを検証。この成果を基に、経験や知識を継続的に共有できる仕組みを整備している。
サービス導入後は、月次レポートによる利用状況の分析、FAQ(よくある質問と回答)データの最適化、AIのチューニングなどを継続的に支援する。
販売目標は2026年度までに累計100件。先行事例として、一般社団法人日本自動車工業会(自工会)と一般社団法人日本自動車部品工業会(部工会)の取り組みを挙げている。「自動車産業サイバーセキュリティガイドライン」に関する自動車メーカーなどからの問い合わせに対し、90%の回答精度を実現したとしている。