塩野義製薬(本社:大阪府大阪市)は、社内のデータを有効活用するためのデータ基盤を構築した。サイボウズのノーコード型アプリケーション開発・運用プラットフォーム「kintone」を利用して、業務利用の過程で自然にデータを収集・蓄積、データウェアハウスに容易に投入できる動線を確立している。サイボウズが2025年10月31日に発表した。
塩野義製薬は2021年、データサイエンス部を中心に、社内データの一元管理とデータ活用基盤の整備に着手。各業務で生まれる各種データを有効に活用し、経営層の意思決定の後押しと社内のイノベーションを加速させることを目指して取り組んでいる。
しかし、当時の同社は、役割表や当番表、工場の環境データ、IT資産管理台帳など、業務に関わるデータの約8割をExcelで管理し、これらの収集・共有は主にメールのやり取りで行っていた。ファイルの保管場所は社内サーバーやクラウドストレージなどに分散し、バージョン管理が煩雑だった。長年メンテナンスしていないExcelファイルは、開くのに数分かかるケースもあったという。
 図1:業務データを集積する方法のBefore/After(出典:サイボウズ)
図1:業務データを集積する方法のBefore/After(出典:サイボウズ)拡大画像表示
こうした経緯から、データを効率的に集積し管理するデータ基盤が必要と判断。サイボウズのノーコード型アプリケーション開発・運用プラットフォーム「kintone(キントーン)」を用いて仕組みを構築した(図1)。
kintoneの導入にあたって塩野義製薬は、特徴である、マニュアルを参照しなくともアプリケーションを構築できる点を評価。また、既存のExcelファイルをアップロードしてアプリケーションにすることができ、事業部門の担当者がこれまで扱ってきたExceファイルを容易にデータベースにできる点もメリットだと表している。
kintoneによるデータ基盤の下、品質を保ったデータを日々の業務で利用する中で自然に集積できるようになった。蓄積したデータは、ETL(抽出/変換/登録)ツールで加工し、そのままデータウェアハウス(DWH)に投入できる。これが、事業部門からDWHにデータを持ち込むハードルを下げたという。業務データをDWHに投入することで、可視化と各部門への共有が可能となり、迅速な意思決定につながったとしている(図2)。
 図2:業務データをDWHで一元管理するイメージ(出典:サイボウズ)
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