[新製品・サービス]
Next Generation ERPへ─AI時代の人事・財務基盤を追求するワークデイ
2025年11月11日(火)神 幸葉(IT Leaders編集部)
米ワークデイ(Workday)が「Next Generation ERP」という新しい構想を掲げている。これはSoR(記録のためのシステム)はなく「SoA(行動のためのシステム)」を目指すもので、もちろんAIを不可欠な技術要素として製品に組み込んでいる。同社日本法人は2025年10月29日、設立20周年という節目に開催した年次コンファレンス「Workday Rising 2025」の発表内容を紹介するかたちで、「次世代のERP」を標榜する人事・財務プラットフォームについて説明した。
「Next Generation ERP」が意味するもの
説明会の冒頭、ワークデイ テクノロジーコンサルティング担当 バイスプレジデント兼 CTO(最高技術責任者)の小今井裕氏(写真1)は、2025年9月開催のWorkday Rising 2025コンファレンスで提唱された「The new Workday for your work day.」というフレーズを紹介した。ここでいう「new Workday」は、同社のことではなく、「仕事の新しい時代」を意味し、以下の3つの原則を込めているという(図1)。
●AIは人間の潜在能力を置き換えるものではなく、人間の可能性を増幅させるものであり、積極的に活用していくべきだ。
●将来の仕事は「テクノロジーと人間どちらがこなすのか」ではなく、人間とテクノロジーで変革を進めていく必要がある。人間が中心となり、人間として発揮すべき力を再活性化させるべきだ。
●今後はAIエージェントを含めたさまざまな働き手の活用が必要である。それらの変化を支えられる、将来の働き方に適合できるものでなくてはならない。
写真1:ワークデイ テクノロジーコンサルティング担当 バイスプレジデント 兼 CTOの小今井裕氏
図1:「new Workday=仕事の新しい時代の3つの原則(出典:ワークデイ)拡大画像表示
new Workdayを実現するためのキーワードとして小今井氏が掲げたのが「Next Generation ERP」だ。ワークデイでは、祖業であるHCM(人事・人材管理)と、もう1つの軸に、財務会計管理の「Workday Financial Management」が存在する。共にERPの要素である。にもかかわらず、「当社はERPという言葉をこれまで積極的には用いてこなかった」(小今井氏)という。
そこで、Next Generation ERPを掲げた。これは、ERPが典型的に分類されるSystem of Record(記録のためのシステム)ではなく、「System of Action(行動のためのシステム)」が本質だという。その要素として小今井氏は以下の3点を示した。
- 人事、財務、プランニング業務を重視したAIエージェントの開発
- コア製品への継続的な投資の加速
- 業務の変革を推進するオープンなプラットフォーム構築
●Next:人事・財務領域に特化した13種類の新AIエージェントと、特有のリスク対策
会員登録(無料)が必要です
- 1
- 2
- 3
- 4
- 次へ >



































