[調査・レポート]
大半の企業でデータマネジメントに課題、システム間のデータ連携不足で66%が手作業に依存─Sansan調査
2025年11月12日(水)IT Leaders編集部、日川 佳三
Sansanは2025年11月11日、企業の情報システム担当者708人を対象に実施した「企業のデータ管理に関する実態調査」の結果を発表した。平均23.3個のシステムが導入され、データ管理が複雑化。取引先データのシステム連携は66%が手作業に依存しており、8割超が「重複」や「表記ゆれ」などデータ品質に課題を抱えている。Sansanは、こうしたデータマネジメント、データ基盤の整備不足がAI活用時の精度低下(87.3%が実感)にも悪影響を及ぼしていると分析している。
Sansanは、従業員数100人以上の企業に勤務する情報システム担当者708人を対象に「企業のデータ管理に関する実態調査」の結果を発表した。調査期間は2025年10月17日~22日で、オンラインアンケートで実施している。
業務で利用しているシステムの導入数を聞いたところ、平均導入数は23.3個だった。このうち、営業支援、契約管理、請求管理など、取引先情報を管理しているシステム数は平均10.6個だった。Sansanはこの結果を「部門や業務領域ごとにシステムが細分化し、企業全体でのデータ管理が複雑化している」と見ている。
取引先データを扱うシステム間でデータの連携ができているかを尋ねた設問では、「一部のシステムは連携できているが、手作業での更新も必要」(60.3%)が最多だった。「ほとんど/まったく連携しておらず、手作業での更新が中心」(5.7%)を合わせた、手作業中心の企業が66%に上る(図1)。
図1:システム間での取引先データ連携の状況(出典:Sansan)拡大画像表示
データ連携が進まない理由として、「システムごとにデータ形式や項目が異なる」(58.6%)、「既存システムが古く、連携が難しい」(42.3%)、「費用・リソースの負担が大きい」(41.6%)が上位に挙がった(図2)。
図2:システム間のデータ連携が進まない理由(出典:Sansan)拡大画像表示
図3は取引先データの品質について聞いた結果だ。83.5%が「重複」、82.2%が「表記ゆれ」、81.8%が「更新漏れ(異動・住所変更・契約条件など)」の経験があると答えている。
図3:取引先データの品質。重複・表記ゆれ、更新漏れの状況(出典:Sansan)拡大画像表示
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