京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は2009年2月19日、IT運用管理の基盤であるアクセス管理・ID管理システム「GreenOffice Directory On Demand」の提供を2009年春より開始すると発表した。
近年、IT活用に必要となる設備・ソフトウェア資産を自社で所有しないという、SaaSモデルの導入が増加しつつある。しかし、部分的なSaaS利用は、アクセス権やセキュリティなどの管理対象が企業の内外に分散する危険を増加させ、IT部門にとっては大きな負担になるなどの課題も多い。同社は、これらの課題に対応するサービスとして同サービスを提供する。
これまで、ID管理パッケージソフトとして同社が提供してきた「GreenOffice Directory」は、組織・役職の組み合わせに基づいたアクセス管理、異動時の権限引継ぎや兼任時の重複など、日本企業に即したアクセス管理・ID管理への対応を特長に、10万IDを超える導入実績を持つ。その「GreenOffice Directory」の機能はそのままに、これまでのノウハウを同社のインターネットデータセンター「D@TA Center」のオンデマンドサービスを通じて提供するのが「GreenOffice Directory On Demand」である。
「GreenOffice Directory On Demand」の特長は次のとおり。
(1) IT部門の運用負荷を軽減
標準規格の採用や専用アダプタなどにより、社内の既存ITシステムだけでなく、Google Appsなど他のSaaSにも対応するシームレスなアクセス管理・ID管理を可能にし、IT部門のアクセス管理にかかる負担を軽減する。
(2) リーズナブルな料金体系と豊富なオプションメニュー
ハードウェアおよびソフトウェア、運用管理レポート相当分を月額基本使用料とし、以降はプロビジョニングしたID数に応じて従量課金する料金体系になっている。また、導入時の要件定義・運用設計、ID管理の作業代行、運用アウトソーシングなどをオプションサービスとして用意し、幅広いメニューで顧客のニーズに沿った業務効率化・コスト削減を実現する。
(3) ISMS/ITIL準拠の運用と定期レポートの提供
SaaS利用に伴うセキュリティへの不安とクラウド・コンピューティングで全体像を把握できないことによる不安を、ISMS/ITIL取得の同社「D@TA Center」による運用と、定期レポートによる“見える化”で払拭する。また、定期レポートは、監査・証跡の確保などにも活用でき、アクセス管理・ID管理に付随する業務コストの削減およびコンプライアンスの推進にもつながる。
(ISMSはInformation Security Management System、ITILはIT Infrastructure Library」の略称)
(4) 短期のシステム導入
初期構築・開発が不要なので、一般に導入に6カ月前後を要するといわれるID管理システムの導入プロジェクトが、短期間で実現できる。
「GreenOffice Directory On Demand」の料金予定(税込)は次のとおり。
初期費用は60万円~。
月額利用料は、基本料金12万円~、従量課金100円~/1プロビジョニング。
同社は今後、年間販売目標として売上げ2億円を目指す。
販売開始日は、2009年4月1日を予定している。
なお、KCCSでは同サービス提供に先駆け、次の日程でセミナーを開催する。
「IT部門ご担当者 必見!コスト削減の断行は今だ、事例に見るクラウド・コンピューティングの実際(仮)」
日時:2009年3月11日
インターナショナルシステムリサーチ共催、グーグル後援。
http://www.kccs.co.jp/news/events/090311.html
京セラコミュニケーションシステム
http://www.clearswift.co.jp/
「GreenOffice Directory On Demand」
http://www.kccs.co.jp/products/directory/