[モチベーションを科学する]

チーム内の異質性を保ち、知恵のぶつかり合いを促進する(第10回)

2009年7月8日(水)

凡人を賢者に変える プロジェクトを率いるITリーダーは誰しも、知恵が次々にわき出るチームを夢見ることだろう。しかし、メンバーが自分なりに考え、学び合う風土のないチームで「何か斬新な知恵を出せ」と言っても無意味。今回は、メンバー間の知の相互作用を促すためのポイントを解説する。

「強く関わり深く考えると、知恵が出る。中途半端に関わりあまり考えないと、愚痴が出る。関わっているふりをして全く考えないと、言い訳が出る」。これは、私が講演の際によく持ち出す、メンバーの言動からチームの強さを見極めるときの指針である(図1)。

図1 メンバーの日ごろの言動から、チームの将来が見えてくる。言い訳の多いチームは崩壊を待つばかりだ
図1 メンバーの日ごろの言動から、チームの将来が見えてくる。言い訳の多いチームは崩壊を待つばかりだ

詳しく説明しよう。積極的に知恵を出したり、周囲と議論し行動したりするメンバーは、自分自身も組織も成長させる。自分のミッションだけを黙々とやり、周囲とのコミュニケーションを極力避けようとするメンバーは、自分以外のメンバーに対して不満を持つだけで、個人も組織も成長させない。さらに、自分のやるべきことさえろくにやらないで、出来ない理由ばかり並べるメンバーは、チームを崩壊させる。

マネジャーやリーダーとしては当然、知恵を出すメンバーを多く育ててチームを強化したいと考えるだろう。そこで今回は、知恵がわき出るチームを形成するためのポイントを考えていきたい。

野球型かサッカー型か

一言でチームと言っても規模や期間などは様々だが、筆者は役割分担とマネジメントから大きく2種類に分けられると考えている。「野球型チーム」と「サッカー型チーム」である(図2)。

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