クールヘッドとウォームハート チームのなかには、ベテランもいれば新人もいるだろう。当然、知識や経験の量やレベルも様々、性格も様々。部下の育成にあたるリーダーは、1人ひとりの特性に合わせた柔軟なアプローチを採る必要がある。画一的な育成戦略はどこかにひずみを生み、全体のモチベーションに影響することがある。
「経済学者はクールヘッドとウォームハートを持たねばならない」。これは20世紀初頭に活躍した英国の経済学者、アルフレッド・マーシャルがケンブリッジ大学での教授就任講演で述べた言葉である。クールヘッドとウォームハートを日本語で言うなら、「冷静な頭脳と温かい心」といったところだろうか。
この言葉はもともと経済学を志す学生に向けられたものだが、企業の管理職にもとても重要な示唆を与えてくれる。今回はこのクールヘッド/ウォームハートをキーワードに、チームのモチベーション・マネジメントに取り組む際のヒントを提示していきたい。
相手に応じてやる気向上策を使い分け
まずは、クールヘッドである。経済学の文脈においてはこれは、しっかりとデータを分析し、数値の行間を客観的に読み込む冷静な頭脳を指す。では、モチベーション・マネジメントにおけるクールヘッドとは何か。それは、部下が抱える表層的な課題に流されその場しのぎで対応するのではなく、部下1人ひとりの特性を深く洞察したうえで「どんなサポートをすれば、この部下の成長スピードが最も速まるか」を冷静に考える“深層思考”にほかならない(図1)。

ここで、クールヘッドによるモチベーション・マネジメントの具体例を紹介しよう。ある企業のシステム部門において、課長として10人のメンバーを率いるAさんの例である。
会員登録(無料)が必要です
- 成功の姿を構想し行動を起こす―挑戦の暁には必ず成長がある:第12回(2009/09/08)
- ブランド意識とモチベーション─今こそ組織への誇りと愛を育みモチベーションを高める(2009/08/10)
- チーム内の異質性を保ち、知恵のぶつかり合いを促進する(第10回)(2009/07/08)
- 悩み多きリーダーが次世代のリーダーを育てる(第9回)(2009/06/08)
- 目指せ!褒め名人─表面的な褒め言葉は逆効果、水面下のプロセスを称賛し続ける(2009/04/07)
-
AI時代の“基幹インフラ”へ──NEC・NOT A HOTEL・DeNAが語るZoomを核にしたコミュニケーション変革とAI活用法
-
加速するZoomの進化、エージェント型AIでコミュニケーションの全領域を変革─「Zoom主催リアルイベント Zoomtopia On the Road Japan」レポート
-
14年ぶりに到来したチャンスをどう活かす?企業価値向上とセキュリティ強化・運用効率化をもたらす自社だけの“ドメイン”とは
-
-
-
-
生成AIからAgentic AIへ―HCLSoftware CRO Rajiv Shesh氏に聞く、企業価値創造の課題に応える「X-D-Oフレームワーク」
-
-
-
「プラグアンドゲイン・アプローチ」がプロセス変革のゲームチェンジャー。業務プロセスの持続的な改善を後押しする「SAP Signavio」
-
BPMとプロセスマイニングで継続的なプロセス改善を行う仕組みを構築、NTTデータ イントラマートがすすめる変革のアプローチ
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-




