「社内の情報活用を目指して導入したが、分析技術に長けたほんの一部のユーザーしか使っていない」。これはBI(ビジネスインテリジェンス)を導入した企業の多くに共通する問題ではないだろうか。日本製紙も例外ではなかったが、思い切ったシステム刷新とユーザーの使い勝手へのこだわりで、課題を克服しつつある。 聞き手は本誌編集長・田口 潤 Photo:陶山 勉

- 井田 圭治 氏
- 日本製紙 管理本部 情報システム部 調査役
- 1974年に十條製紙入社。品質管理や環境管理業務を経て、88年に情報システム部に配属。管理会計システムの構築・運用管理、ホスト運用管理などに従事し、現在は基幹系業務システムの総括管理を担当。今回のプロジェクトの総括管理者である。

- 萩原 孝明 氏
- 日本製紙 管理本部 情報システム部 調査役
- 1990年に十條製紙入社。情報システム部に配属後、購買系システム構築やホスト運用管理などに従事し、現在はインフラの運用管理業務に携わっている。今回のプロジェクトでは、基盤設計・運用設計および構築を担当した。

- 勝呂 典子 氏
- 管理本部 情報システム部
- 1998年に大昭和製紙入社。情報システム部に配属。ホスト運用管理やネットワーク管理などを経て、現在は営業系システムや生産計画サブシステムの運用保守を担当している。今回のプロジェクトでは、ユーザー教育に携わった。
─ 日本製紙は2006年、BIシステムを導入。ユーザーによる情報活用を進めているそうですね。新システムは、グループ全社に共通なんですか。
井田: まだ全社というわけではありません。今のところ、日本製紙のほか安田が所属する日本大昭和板紙など6社が活用しています。
─ 情報分析用のシステムは、これが初めて?
井田: いえ。2000年にTeradataのデータウェアハウスを導入して、販売や製造といった基幹業務データを、ユーザーが自由に分析できる仕組みを構築しました。
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