米ゼットスケーラー社は2009年8月10日、ジェイズ・コミュニケーションと販売代理店契約を締結した。これにより、ジェイズ・コミュニケーションは、ゼットスケーラーのSaaS型ウェブセキュリティソリューションの販売を開始すると発表した。
ウェブアクセスを介して感染するマルウェアの被害が急増する中、ジェイズ・コミュニケーションは、企業のウェブアクセスを管理・保護するソリューションとして、ゼットスケーラーの統合型ウェブセキュリティソリューションを販売する。SaaS型で提供する本ソリューションは、既存のファイアウォールなどでウェブトラフィックをリダイレクトするだけで使用できるクラウド型サービスであり、同社の強みであるファイアウォール販売網との連携を図りながら販売を拡大できるとしている。
本ソリューションは、アウトバンドトラフィックに対する包括的なセキュリティ対策をクラウドコンピューティングサービス(SaaS型)として提供する。すなわち、ウイルス・スパイウエア対策、URLフィルタリング、ボット/フィッシング/XSS対策、ウェブメールやインスタントメッセージ、あるいはSNS・ブログなどWeb 2.0アプリケーションのコントロール、利用可能なウェブブラウザの制限、アクセスログの保管と検索、レポーティング機能などをSaaS型で提供する。
本ソリューションは、セキュリティ対策を含むコンプライアンスを重要視する会社のみならず、派遣社員など外部の要員を活用しているコールセンタやサポートセンタ、持ち込みコンピュータの多いホテル、ホットスポットやネットカフェ、モバイルワーカーを含むテレワーカーなど、さまざまな企業での利用が可能である。
SaaS型ウェブセキュリティソリューションは、3つのサービス「セキュリティ強化」「生産性向上」「コスト削減」を同時に実現する。その詳細は次のとおり。
- セキュリティの強化
現在のウェブセキュリティは、DDoS対策や不正アクセス対策など、サーバ側の保護に重点が置かれ、80%以上のセキュリティ予算をインバウンドセキュリティに投資していると言われている。一方で、ウェブサービスを利用するユーザの保護については限定的な対策しか行われていないケースが多い。しかし、ボットネットやXSS(クロスサイトスクリプト)など、利用者のウェブアクセスを通じて発生するセキュリティリスクは急増している。こうした無防備なアウトバウンドに対するセキュリティ対策を強化する。 - 生産性の向上
ウェブアプリケーションの進化は、特に顧客やパートナー企業と接する業務においてビジネスの生産性向上の機会をもたらす。しかし同時に、不適切な利用によるリスクも増大している。ウェブメールやSNSといったWeb 2.0アプリケーションの利用を企業のポリシーに基づいた適切なものとする。その実現のため、柔軟なポリシー制御を提供し、ビジネスの生産性を向上する。 - コスト削減
ウェブセキュリティサービスのインフラストラクチャとなるのが、グローバルに展開するZscalerクラウドである。Zscalerクラウドは、トラフィックの処理を分散する一方で管理機能を集中させ、通信品質の向上と管理コストの削減を同時に実現する。ユーザのトラフィックは「もより」の高性能プロキシ(Zscaler Cloud Node)に転送され、強固なセキュリティと高品質な通信が確保される。管理者は、個別にプロキシを設定する必要はなく、単一のGUIからすべてのポリシー設定を制御できる。また、サービスはクラウドモデルで提供されるため、顧客のネットワークに追加の機器を導入する必要はない。これにより、システム管理者はポリシーの策定や利用状況の把握など、戦略的な業務に集中することが可能となり、大幅なコスト削減を実現できる。
サービスの主な内容は次のとおり。
- Secure(セキュリティ): 最新の脅威にも対応したリアルタイムでの保護機能。
- Manage(管理): アクセス制御とWeb 2.0アプリケーションのコントロール。
- Comply(コンプライアンス): コンテンツ監査による情報漏えいの防止。
- Anzlyze(解析): ログの保全と高速な検索機能の提供。
SaaS型ウェブセキュリティソリューション
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ゼットスケーラー
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ジェイズ・コミュニケーション
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