「過去の実績や履歴といった“動かない”データは厄介だ。どんどん増えるが、捨てられない。システム移行時の足かせにもなる」。戸田建設の佐藤郁氏は言う。同社はXML技術を用いて、そんな足かせからシステムを解放した。 聞き手は本誌編集長・田口 潤 Photo:陶山 勉

- 佐藤 郁 氏
- 戸田建設 アーバンルネッサンス部 技術チーム 主管
- 橋梁やダムなどの工事現場を歴任した後、土木設計や指紋認証、GISといったシステム開発・構築などに従事。現在は土木技術の開発のかたわら、システム開発も手がけている。工学博士、技術士(建設部門、情報工学部門)

- 八森 眞治 氏
- 伊藤忠テクノソリューションズ 科学システム事業部 社会基盤ソリューション部 都市情報課 担当課長
- 1980年、センチュリリサーチセンタ(現・伊藤忠テクノソリューションズ)に入社。技術系システム開発を経て、1998年から建設会社向けのWeb- DBシステムの開発を担当。今回のプロジェクトでは、仮想化のほか全体の調整役を務めた

- 猪内 誠司 氏
- ジャストシステム エンタープライズ事業部 ビジネスパートナー営業部 アライアンスグループ 副部長
- 1991年にジャストシステム入社。営業部門に配属、一太郎や花子などのコンシューマ向け製品を担当後、ConceptBaseを中心とする企業向けシステムを担当。現在、販売パートナーとのアライアンス業務に携わっている

- 大野 絵里砂 氏
- インフォマティクス 開発部 WEBソリューショングループ リーダー
- 販促関係のデザイナーとしてインフォマティクスに入社。ビューロチームを経験後、開発部門に配属。CADやGISシステムの開発を手がけ、2004年からはWebシステムの開発に従事。現在は、主に自治体案件を担当している
─ 100年使えるデータベースがあると聞きました。
佐藤: はい。Chronosと呼んでいます。
—ギリシャ神話の「時間の神」ですね。
佐藤: 工事実績や設計図や施工図、予算など当社が保持する膨大なデータを、ユーザーがブラウザから検索できるシステムの総称です。
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