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[ザ・レビュー]

「ePower/K-SHOW」:技能継承の現場から生まれた動画編集ソフト 複雑な機能を排し直感的な操作を追求

2009年12月3日(木)

ePower/K-SHOW(テプコシステムズ) ベテラン技術者の技能やノウハウをいかに次世代に伝えるか。マニュアルとして文書化しようにも、感覚的な作業を含む“職人技”を文字で記すのは難しい。そこで有効なのが「一目瞭然」の動画である。テプコシステムズは、PC操作が決して得意でない人でも直感的に操作できる動画編集ソフトを開発した。技能継承に照準を合わせた専用ソフト、それが「ePower/K-SHOW」である。

「2007年問題がePower/K-SHOW開発のきっかけだった」と話すのは、テプコシステムズの杉林 哲也・営業本部 営業総括部長だ。親会社である東京電力が、設備作業員の大量退職を控えて技能継承に危機感を募らせていたのである。発電所や変電所などで安全な作業を進めるには、ベテランが持つ技能やノウハウを正しく伝えていかなければならない。ここで東京電力は、文書によるマニュアル化よりも動画を残した方が効果が高いと考えた。

実際に、現場の熟練技術者が自ら作業内容を動画で撮りためてみたものの、それらをコンテンツにまとめる段階で壁に当たった。市販の動画編集ソフトの多くは機能が複雑過ぎ、「PCスキルが必ずしも高くない熟練工が使いこなせず、未編集の動画がたまる一方だった」(杉林氏)。動画編集は専門家や若手に任せるという考え方もあるが、「作業者自ら編集した方がポイントが正確に伝わるし、随時修正できれば結果的に質の高いコンテンツに仕上がる」(同)。

機能を絞ったシンプルな動画編集ソフトがほしい─。そんな要請を受けてソフト開発に臨んだのがテプコシステムズだ。完成当初は東京電力での使用のみだったが、技能継承用コンテンツ作成に悩みを抱える企業は多いはずと判断、2006年2月に外販も始めた。

試行錯誤でブラッシュアップ

最も重視したのは「直感的な操作性」だ。ePower/K-SHOWの編集画面の下部には、左から右へと時間経過を示す軸(タイムライン)がある。ここに動画などの素材を、順番に並べていく。デジカメの写真やプレゼンソフト/表計算ソフトのファイルもドラッグ&ドロップで取り入れられる。画面上部には再生スクリーンがあり、ここを見ながらイメージの大きさや位置をマウスで微調整する。

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