[インタビュー]

「個別開発のカスタマイズ成果をSCMパッケージに反映」マンハッタン・アソシエイツが製品戦略語る

2010年1月26日(火)IT Leaders編集部

インプレスビジネスメディアは2010年1月25日、マンハッタン・アソシエイツ日本法人のビジネスディベロップメント・マネジャーを務める楢崎 芳樹氏に、同社の製品戦略を聞いた。

マンハッタン・アソシエイツ日本法人のビジネスディベロップメント・マネジャーを務める楢崎 芳樹氏 写真 マンハッタン・アソシエイツ日本法人のビジネスディベロップメント・マネジャーを務める楢崎 芳樹氏

 当社はサプライチェーンマネジメント(SCM)パッケージの独立系ベンダーだ。実行系、特に倉庫管理を中心としたSCMパッケージを開発、販売している。1990年に米ジョージア州アトランタで創業し、日本市場には2004年から本格参入している。全世界のユーザーは約1200社に達し、その中にはトヨタ自動車や日産自動車の海外法人も含まれる。日本国内ではグンゼのほか、物流業を中心に約30社が当社製品を導入済みだ。

 主力製品は、UNIXベースでSCMの計画系から実行系まで揃えた大企業向けの「Manhattan SCOPE」、Windowsベースで実行系に絞った部門・中堅企業向けの「Manhattan SCALE」の2つだ。両製品は当社が強みを持つ倉庫管理機能のほか、ヤード管理や輸配送管理、倉庫内労務管理といった倉庫管理を補完する機能を備えている。

 国内でSCM分野にパッケージ導入が進んだのは1990年代後半のこと。当時は手組みと同様の要望をパッケージに求めるユーザーも少なくなく、カスタマイズが状態化していた。

 最近ではパッケージへの理解が進んできたものの、いまだカスタマイズへの要望は根強い。だがカスタマイズはシステム導入やアップグレードの負荷増大につながりがちで、できれば抑えたいというのがユーザー企業の願いだ。そこで当社は、パッケージのカスタマイズを極力減らすための工夫を盛り込んでいる。「個別開発のカスタマイズの成果」と「ユーザーからの機能追加要望」の2つを製品に反映させる仕組みだ。

 前者の「個別開発の成果」を反映するため、ソースコードに直接手を入れるカスタマイズは当社のスタッフが担うことを原則としている。これにより、ユーザーがどんなカスタマイズをしているかを把握でき、他の企業にも有用と判断した機能を積極的にパッケージに取り込める。他システムとの連携用アダプタなどの開発はパートナーが担う。

 もう一方の「機能追加要望」の反映には、ユーザーの声を受け付ける「プロダクト評議会」と呼ぶユーザー会を用意した。要望として挙がった機能は優先順位を付けてパッケージに実装している。

 機能面でのウリの1つは、ビジネスインテリジェンス(BI)機能だ。「Supply Chain Intelligence」と呼ぶBI機能は、事前定義した200以上のKPI(重要業績評価指標)に基づいて管理の達成度を把握できる。IBMの「Cognos 8」をエンジンとして採用した。

 製品は直販のほか、パートナー経由で販売している。現在のパートナーは日本ヒューレット・パッカードとNTTデータ子会社のビー・エヌ・アイ・システムズ、菱通ジャパンの3社。開始時期は未定だが、ASPでの提供も予定している。ビー・エヌ・アイ・システムズが中心となり、中国と日本でのサービス展開を検討中だ。(談)

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