身の周りには種々雑多なPC周辺機器。接続ケーブルはどれも似通っていて、どの付属品だったか判然としないことも珍しくありません。さてどうしたものか。引っ越しを機に採った苦肉の策とは……。
先般、オフィスの引っ越しがありました。直線距離にして数100メートルという近距離のビルに移ったのですが、それでも机周りの荷物はすべて段ボールに詰め込み、PCなどの機器も1つひとつバラバラに外して荷造りする必要がありました。実は1年半ほど前にもオフィスの引っ越しを経験し、その時はあまりにも要領が悪くて、移動先で自分の仕事環境を整えるまでに予想以上の時間がかかってしまいました。同じ失敗を繰り返してはならじと、今回は万全を期して臨んだのであります。
その失敗というのは、パソコン関連の周辺機器に付属する接続ケーブルやACアダプターの類がゴチャゴチャになって“迷子状態”になってしまったこと。私のPCには、外付けHDD、7型サブディスプレイ、充電式ワイヤレスマウス、給電式USBハブ、卓上スキャナ、Skypeフォン、デジカメ用メディアリーダー、ICレコーダー用クレードル、モニター用の小型キャリブレーターなどなど、雑多な周辺機器が接続されております。机の裏に隠してはいるものの、その配線はタコ足どころかムカデ足?状態。
前回の引っ越しでは荷造りを急ぐあまり、一切合切を1つの段ボールに詰め込んだのが災いの元でした。しかも、もう使わなくなった機器(これが結構あるんです)のケーブル/電源アダプタも一緒に梱包してしまった…。移動先で箱を開けてPC環境の再構築に取りかかったところ、どれがどれのものか判別できなくなり頭を抱えることに。
USBケーブルの多くはコネクタ形状が「Mini-B(オス)A-Type(オス)」タイプなので互換性はあるものの、中には大型のフェライトコアでノイズ対策を施している高級品?もあり、できれば本来の機器との組み合わせで使いたいところ。ACアダプターにはメーカー名が記されていないものもあり、これも迷子になるとやっかい。端子の形状や定格出力から、どれの付属品か逐一探し出す羽目になります。いやはや、正規の組み合わせを見つけ出して元通りにするのに多大な時間を費やしました。
さて、今回の引っ越しでは、どのような対策を打ったのか…。いや何のことはなく、ケーブルやACアダプタに前もって「ラベル」をつけたのです。プリミティブながら実効性は抜群でした。そのラベルとして使ったのは「バッグ・クロージャー」。といってもピンと来ないかもしれませんが、食パンについてくる袋の留め具です。そう、ポリスチレンでできた、あの「凹」っぽい形のやつです。元々呼び名も分からなかったのですが、ネットで調べてみると、クイック・ロックという会社が作っているのだそうです。
朝食はパンで済ませることの多い我が家。不要になったクロージャーをためてみると、あっという間に片手に収まらないだけの数が集まりました。こいつの表面に「BUFFALOのUSBハブ」「RICOH GX200」「ScanSnap S510」などと油性の極細サインペンで書き記し、後はケーブルに取り付けておくだけです。ケーブルが細すぎて外れる可能性がある場合は、途中に数回転のループを作ってそこに取り付けておくのがコツ。こうして、1つひとつに名札があれば、迷うことありません。引っ越しもスムースに完了したし、随時、つけ外しするケーブル類を引き出しにしまっておく際も重宝します。
いつしかクロージャーをため込む癖がつき、もはや消化しきれないほどのストックが。自宅のパソコン環境やAV機器の配線に使うのはもちろんのこと、趣味のテンカラ釣り(日本流の毛鉤釣り)で素材や長さ別に作る仕掛けのラベルに使ったりと、応用の範囲を徐々に広げています。つい最近は20枚ほどを貼り合わせて名刺/写真スタンドを作ってみました(これはデザイン的にはイマイチですが…)。まだまだ大量に余っているクロージャー、もっと有効な使い道はないかと考えを巡らせる今日この頃です。
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