EMCジャパンは2011年2月10日、重複除外バックアップ・ストレージ市場を拡大するため、「Data Domain(データ・ドメイン)」の大幅な価格改定の実施ならびに、製品ラインナップを一新した新製品群を発表した。今回の価格改定で「Data Domain」シリーズ全製品の参考価格を平均50%値下げし、価格競争力を大きく高めることでバックアップ市場への浸透を促進させるとしている。
今回の価格改定により、「Data Domain」製品は、参考価格210万円(税込み:エントリー・モデルのData Domain DD610)からとなる。これまで「Data Domain」製品は、主に大規模なエンタープライズ環境で導入されてきたが、今回の価格改定により中小規模のテープ環境にも導入しやすくなる。EMCジャパンは、今回の価格改定を機に、企業のあらゆるバックアップ・リカバリ環境に対して、重複除外によるコスト効率の高いディスク・バックアップ環境への切り替えを促進していくとしている。
今回発表した新製品・新機能は次のとおり。
- 「Data Domain Global Deduplication Array(DD GDA)」のアーキテクチャ刷新
2010年5月に発表した業界最高性能の重複除外バックアップ・ストレージ「Data Domain Global Deduplication Array(データ・ドメイン グローバル・デデュプリケーション・アレイ、以下DD GDA)」のアーキテクチャ刷新により、従来の2倍の性能と容量を実現した。「DD GDA」は、デュアル・コントローラで重複除外バックアップを行い、処理速度を大幅に向上させている。最大26.3TB(テラバイト)/時のパフォーマンスと有効容量は最大570TBである。これは、論理容量に換算すると最大28.5PB(ペタバイト)のバックアップ・データを保存できることになる。そして、今回「DD GDA」は、ファイバ・チャネル接続のVTL(Virtual Tape Library:仮想テープ・ライブラリ)に対応し、EMC NetWorker、Symantec NetBackup、IBM TSM(Tivoli Storage Manager)などの主要なバックアップ・ソフトウェア経由でのバックアップが可能となった。 - 「Data Domain DD800」シリーズのラインアップを一新、また新モデルを追加
ハイエンド・モデルの「DD800」シリーズに「DD890」と「DD860」の2つの新モデルを追加。「DD890」は、従来モデルよりも最大1.7倍高速となり、有効容量も2倍の285TB。また、「DD860」は、従来モデルの2.5倍速いスループットを実現し、有効容量が4倍の142TB。 - 「IBM i対応VTLオプション」の提供
IBM i(IBM System i)を搭載したミッドレンジ・コンピュータIBM Power SystemsのデータをバックアップするためのVTLオプションを新たに提供する。Data Domain DD600とDD800シリーズのオプションとして、このたびIBM iを搭載したミッドレンジ・コンピュータIBM Power Systems 向けのVTLソフトウェアを発表した。IBM TS3500テープ・ライブラリをエミュレートし、既存のIBM i環境にシームレスに導入することができる。さらに、災害対策として、データをWAN経由で転送し、オフサイトに設置したData Domainシステムにレプリケ-ション(複製)することも可能である。
参考価格(価格は最小構成時、税込)は次のとおり。
「Data Domainファミリ」は、210万円~(旧価格は420万円~)、有効容量3.5TB~。
新製品の「EMC Data Domain GDA」、「EMC Data Domain DD860」、「EMC Data Domain DD890」は、3月末より提供開始される予定である。
「Data Domain」製品ファミリ
http://japan.emc.com/products/family/data-domain-family.htm
EMCジャパン
http://japan.emc.com/