福島原発を巡る一連の報道を見る中で、企業の情報発信の姿勢というものを改めて考えさせられた。正確な情報を社内で共有し、いち早く発信していくことは、どの企業にとっても重要なテーマだ。今一度、自社のプロセスを見直してみたらどうだろう。
震災から3週間が経ち、筆者が働く東京では通常通りの業務に復帰した企業が多くなってきた。
「まだそれどころではない」「自粛を」という言葉も聞くし、電力不足の問題もある。でも日本経済が傾いてしまっては復興はできない。直接の被害を免れた地域、とりわけ企業が集中する大都市圏のビジネスパーソンは、経済活動をしっかり行い復興のための力(や税金)を生み出す役割があると思う。またその過程においては、震災を通じて分かったことを整理し、次の活動に活かしていく視点も重要だろう。
今回の危機においては、Webをベースとするサービス/システムの有用性が際立った。電話は繋がらず、携帯電話キャリアが提供するメッセージサービスも軒並みダウンする中、Twitterやメールによる情報発信とコミュニケーション、Googleが制作/運用した安否確認システム、文科省による放射能情報の発信など、Webを中心に実装されたシステムはダウンすることなく機能した。日本全体が不安に包まれる中、情報取得やコミュニケーションに大きな成果をあげことは間違いない。
企業の事業継続性という観点でも、Web系、特にクラウド型システムに一定の優位性が見られた。SaaSやDaaSの活用など、業務システム分野で既にクラウドシフトを推し進めていた企業は、在宅勤務にもスムーズに対応できたと聞く。それに引き替え、エクセルや紙の伝票で業務を管理しているような企業の場合は、在宅勤務と言っても実態は“自宅待機”で、多くの業務が滞ってしまったようだ。
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