人を介して紹介を受け、食事をしながら話をしていると、その日のうちに意気投合する人がいる。話題が豊富で面白いし感受性が高い。これはその人の思考特性に感銘を受け、魅力を感じるからなのだろう。またイベントに行くとよく顔を合わせる人たちがいる。あるいは訪問先でよく鉢合わせをする人がいる。この人たちとは、興味や行動特性が似通っているのだろう。
筆者は昔、外向的ではなかった
人間には思考特性や行動特性と言われる傾向の特色がある。個性と言ってしまえばそうなのだが、共通するパターンのようなものを感じる。そして職務遂行とこれらの特性は、決して無関係ではないようだ。
同級生の弁を借りれば、筆者は学生の頃は生真面目で、あまり社交的でないという風に見られていたらしい。好奇心の強さは変わらないと思うが、学生の頃はそれが内向型に作用していたようだ。社会に出て主に土木の設計業務に就き、顧客への訪問や説明・交渉・接客などの仕事が増えるに従い、興味が外に向かいだした。30歳代の頃には、積極的に異業種や外部の人との接触を求めて出歩いた。
その行動特性がシステム部門の責任者になった時に役だったと思う。ITベンチャーの技術や製品に興味を持ち、よく社長や技術開発のキーマンに会いに行った。知り合いから紹介を受けた韓国のパッケージも、良ければ違和感なく使った。異業種に知り合いが多いから情報システムの構築の知恵を貰うことも多かった。長く携わったデザイン思考と好奇心、それにネットワーク作りに動く行動が、職務にマッチしたのかも知れない。
コンピテンシーを持つ人たち
コンピテンシー(competency)という言葉がある。ハーバード大学の心理学者が名付けたもので、職務で高い業績を挙げている人(ハイパフォーマという)の行動特性を示す。社外では経営者や技術者や営業担当者やメディアの方など、いろいろな人にお会いする機会がある。優れた実績を示している人には思考と行動に共通する傾向のようなものを感じる。
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