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B級グルメブームとITの関係

2012年1月5日(木)田口 潤(IT Leaders編集部)

筆者の郷里は、姫路城で知られる兵庫県姫路市。同市で2011年11月、全国規模のイベントが開催された。B級グルメの祭典、「第6回B-1グランプリ」である。それを目的に里帰りするほどではないがB級グルメは好きだし、縁あって姫路観光大使も拝命しているので報道を見たり読んだりしていた。

B級グルメブームとITの関係

 そんな中で気になったことがある。焼きそばやうどん、丼物など、いわば定番のメニューにちょっと変化をつけたものが大半だったことだ。第6回グランプリの上位入賞を例にすると、1位がひるぜん焼きそば、2位が津山ホルモンうどん、3位が八戸せんべい汁、4位が浪江焼麺太国(焼きそば)、といった具合である。

 同じ11月に埼玉県で開催された「B級ご当地グルメ王決定戦」でも、1位がカレー、2位はうどん、3位が焼きそばだった。日本人にとっては、どれもなじみ深いので失敗は少ないだろうし、普段から気楽に食べられる。しかしあまりにも、既存メニューの改良に終始しすぎに見える。

 海外に目を転じると、B級グルメは多種多彩だ。アジアだけをとっても台湾の魯肉飯、韓国の参鶏湯、ベトナムのフォー、中国の小籠包、インドネシアのサテなど、挙げるときりがない。元をたどればカレーも焼きそばも、ラーメンも伝来のもの。日本人はこれらを取り入れ、改良してきた。最近のB級グルメがそう見えず、むしろ内向きにさえ思えるのはどうしたことか。

 なぜこんなITと無関係なことを本欄に書いたかというと、この状況と日本のITに近いものを感じるからだ。例えば海外のIT関連カンファレンスに参加すると、多いのは中国人や韓国人。日本人は少数だ。電子政府などへの取り組みも、海外の先進事例に学ぼうとしていないか見える。日本だけでもそれなりのことができるにしても、海外に目を広げると違った面が見えるのも、また事実だろう。

 そこで2012年のIT Leadersのテーマの1つとして、「内向きではなく、いいものはどんどん取り入れ、活用するための情報を強化する」を挙げておきたい。2011年11月号の特集「クラウド2.0の幕開け」は、その一例である。

 さて遅くなりましたが、本年もよろしくお願いします。

 農業、医療、自動車などの交通、あるいはエネルギー。今後、ITの応用分野がさらに拡大することは、誰も否定しないだろう。必然的に企業においてITを統括し、活用を促すITリーダーの役割と責任範囲は、飛躍的に広がっていく。押さえておくべきITに関わる知識や知見も増加する─。

 こんな考えから、本号で「3Dプリンタ」を取り上げた。3次元CADなどで設計したバーチャルな物体を、プリンタで印刷するのと同じ感覚で実物に作り上げる装置である。単に3次元の模型を“印刷”するだけではなく、最新の3Dプリンタは、例えば自転車のチェーンのような複雑な可動物も作れる。

 実のところ、このような機器がどのように企業ITと融合するのか、明確に見えているわけではない。しかし登場したばかりの30年前、当時のIT関係者が「あんなものはおもちゃだ」と評したパソコンは、後に企業ITの主役を担う存在になった。消去法で考えても、「IoT(Internet of Things)」と呼ばれる「IT化されるモノ」の担い手は、ITリーダーに落ち着く。

 かなり前から、読者の方々から要望をいただいていたスマートデバイス特集。ようやく本号で掲載できた。大変、遅くなったことをお詫びします。

 とはいえ、加藤恭子氏の新連載「マーケティング志向で行こう!」を参考に言えば、現在はアーリーアダプターが導入を終えた段階。GPSや各種センサーを搭載するスマートデバイスならではの特徴を生かした活用はこれからだ。IT Leaders Live!におけるスマートデバイス、特にiPad活用例の人気の高さ(視聴者の多さ)も、それを示している。Live!の第19回は、特にお勧めである。特集と併せて、ご覧いただければ幸いだ。 (田口 潤)

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